ここから本文です

2021/09/17

<Korea Watch>韓国企業と日本企業 第103回 JビューティーとKビューティー、競争から協走へ⑤                                                   多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

◆アジア共通の化粧品産業ビジョンの形成を◆

 欧米化粧品メーカーは、「Cビューティー」や「Kビューティー」のブームを取り込むべく、積極的なM&Aを展開している。したたかに「Cビューティー」や「Kビューティー」の拡大する市場やエネルギーを飲み込み、新たな収益構造を再構築している。仏ロレアル社や米コティ社などは、中国の老舗化粧品メーカーである美即、羽西、小護士、絲宝日化、大宝化粧品、丁家宜などを買収した。

 欧米化粧品メーカーが買収・出資した韓国化粧品メーカーは、以下の通り。仏ロレアル社は、2018年韓国の化粧品やファッションの製造販売会社であるナンダ社(17年売上高160億円)を400億円で買収した。04年に創業したナンダ社は、「スタイルナンダ」のファッションブランドや「3CE」の化粧品ブランドを展開し、韓国のZ世代やミレニアル世代から支持を得るだけでなく、中国・東南アジア・日本市場にも進出した。

 オランダ・ユニリーバ社は、17年韓国化粧品ブランド「AHC」を運営するカーバーコリア社(16年売り上げ407億円、営業利益170億円)を3000億円で買収した。韓国化粧品業界のM&Aでは、過去最大規模となった。カーバーコリア社は、1999年にエステ専用の化粧品ブランドを立ち上げ、


つづきは本紙へ