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2021/07/09

<Korea Watch>経済・経営コラム 第85回 脱炭素に向かう日韓、半導体と経済安全保障㊤                                                       西安交通大学管理大学院 林 廣茂 客員教授

◆「産業のコメ」からデジタル社会の急所に◆

 半導体は、かつては「産業のコメ」といわれていたが今日では「社会の急所=チョークポイント」である。米国発のGAFAM5社(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン・マイクロソフト)が世界で、そして、中国発ではBATH(バイドゥ・アリババ・テンセント・ファーウェイ)の4社が世界へ進出中で、それぞれ半導体の機能を最大限活用してデジタル社会のプラットフォームを握っている。半導体なしでは、今日の世界は成り立たない。

 今日から明日の世界を動かすDX(デジタルトランスフォーメーション)・AI(人工知能)・5G(第5世代の移動通信)・IoT/FA・電動自動車/自動走行車・ロボティクス・スマートシティなどは「半導体の塊」といっても過言でない。このデジタル革命の進行は急速で、2030年には半導体の使用量を倍増させる。当然電力の消費も2倍になる。電力消費を抑えるためには、さらに高スピードで低電力消費の半導体が求められる。半導体は、脱炭素の命運をも握っている。


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