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2021/07/16

<Korea Watch>経済・経営コラム 第86回 脱炭素に向かう日韓、半導体と経済安全保障㊥                                                       西安交通大学管理大学院 林 廣茂 客員教授

◆米韓が世界の半導体産業をリード◆

米国の半導体メーカーは、半導体の設計開発で世界を圧倒する技術力を持っている。アップルやデルなど強大なデジタル企業・半導体ユーザーが多く、そのニーズ・ウォンツに応えるべく、持続型・破壊型両方での技術革新を継続して、世界のデジタル社会の拡大とハンド・イン・ハンドで半導体産業の成長を牽引してきた。米国企業は、ロジック半導体(市場規模16・9兆円)で圧倒的に強い。

韓国企業の強さも特筆される。韓国企業はメモリー半導体(DRAMとNANDを合せて市場規模16・4兆円)に特化して米国と直接対決しないで、その分野で世界一を確保している。

半導体売上高で日本企業の世界シェア6%は、以下の4分野で善戦しているおかげである。①NAND型メモリー半導体市場6・2兆円でキオクシアが2位のシェア20%を、②車載用マイコン市場1・9兆円でルネサスが2位のシェア17%を、③イメージセンサー市場1・65兆円でソニーが1位のシェア54%を、④制御用パワー半導体市場1・55兆円で三菱電機・東芝・富士電機の3社が合計でシェア20%を、それぞれ獲得している。


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