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2021/10/15

<Korea Watch>経済・経営コラム 第89回 脱炭素に向かう日韓、自動車の電動化②                                                       西安交通大学管理大学院 林 廣茂 客員教授

◆カーボンニュートラルへ待ったなしの電動化◆

 現実的な世界全体の自動車の電動化は、図表のように、ガソリン・ディーゼル車を減らしながら、30年までは緩やかに、その後50年までは急速に拡大すると予測される。電動車が主流にはなるが、ガソリン車はなくならない。先進諸国では脱炭素を実現できたとしても、圧倒的大多数の途上国では電動車とガソリン車が併存しているだろう。

50年、両者の比率は2・5対1と予測されていて、自動車の脱炭素の実現は難しい。未達分のCO2は「カーボン・オフセット(炭素相殺)」の手段で、「CO2削減につながる森林保護やグリーン化事業にお金を出して、排出したCO2を『帳消し』にするからくり」(日経新聞、21年6月13日)が考えられる。しかし、こうした取り組みが、実際にどこまでCO2削減につながるのかは不透明だという。


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