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2022/01/21

<Korea Watch>韓国企業と日本企業 第108回 米英と中ロの経済安保連携の対立②                                                                                                                                                                             多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

◆地政学的優位生かすインド、経済成長に取り込む韓国◆

 インド(人口14億人)は、経済安保における米英と中ロの対立の間隙を突いて漁夫の利を狙っている。また、唯一無二の「インド太平洋とユーラシア大陸を結ぶ結節点」となる可能性を秘めた地政学的優位性を最大限に生かし、新国際秩序の主導権をも握ろうとしている。具体的には、米国・日本・豪州との距離感を測った協調や中国との駆け引きを通じてその存在感を最大化する一方、EU(4・5億人)・英国(6820万人)・中東(5・3億人)・東南アジア(6・8億人)・ロシア(1・5億人)とは関係を強化し、その影響力の拡大を図ろうとしている。

 インドは、米英が主導する「クアッド(日米豪印)」や「新クアッド(米印以唖)」と協調しつつも、非同盟主義の立場を貫いており、戦略的自律外交を展開している。非同盟主義とは、第2次大戦後、東西両陣営のいずれにも組せず、中立国の団結で平和を守ろうとする立場・主義で、「非同盟諸国首脳会議」加盟国が120カ国に上る。1953年インド・ネルー首相(初代首相)が「戦争に反対し、平和維持に努力する諸国によって第3地域」の結成を提唱した。この「非同盟」の起源は、インド独立以前の46年にネルー首相(当時・国民会議議長)が示した外交方針・理念「互いに対立する同盟グループの権力政治から離れて、独立した人々の自由の原則を固守し、搾取のない国際協力に努力する」にある。


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