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2014/06/27

<オピニオン>韓国経済講座 第164回                                                        アジア経済文化研究所 笠井 信幸 理事

  • アジア経済文化研究所 笠井 信幸 理事

    かさい・のぶゆき 1948年、神奈川県生まれ。国際開発センター研究員、ソウル大学経済研究所客員教授、秀明大学大学院教授を経てアジア経済文化研究所理事・首席研究員

  • 韓国経済講座 第164回

◆弱まる日韓相互依存◆

 日韓の経済依存関係は次第に弱くなっている。特に安倍政権、朴槿惠政権になってその関係が悪化していることは広く知られている。政治・外交レベルの関係悪化は経済・文化にも及ぶのが常だ。こんな状況の中で、韓国と日本は本年6月22日で国交正常化(1965年)から49年目を迎え、来年には区切りの50年目となる。

 ところで、隣国同士で強い紐帯を築いてきた経済面でみると徐々にその関係が弱くなっている。関連統計を加工して、74年から2013年までの推移を見ると全ての指標が右下がり、つまり弱化傾向を示している。韓国で1年間生産した付加価値のうちどれだけ日本の輸出入が占めるかを表す対日依存度(対日貿易額/GDP)は、70年代前半には20%台にあり、日本市場との紐帯関係が強い。

 しかし、80年代に入ると10%~15%に下がり、90年代以降今日まで7%~8%を推移し、GDPの伸びとともに対日貿易の占める比率は低下している。

 ちなみに、この間、韓国のGDPは68倍に増大し、対日貿易額は23・7倍に増えている。


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