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2020/10/30

<オピニオン>韓国経済講座 第232回                                                        アジア経済文化研究所 笠井 信幸 筆頭理事

  • 韓国経済講座 第233回                                                        アジア経済文化研究所 笠井 信幸 筆頭理事

    かさい・のぶゆき 1948年、神奈川県横浜生まれ。国際開発センター研究員、ソウル大学経済研究所客員教授、秀明大学教授。アジア経済文化研究所筆頭理事・首席研究員、育秀国際語学院学院長。

◆禍福は糾える縄の如し◆

 リーマンショックなどの世界的な危機に直面し、それまで経済を成長させてきた輸出が停滞して国内経済の沈滞が続くと、「内需拡大による成長パターンに切り替える」といつも言われる。しかし事はそう簡単ではない。理屈で考えると内需(国民消費力)が輸出に匹敵するか、国内経済の成長力が持続的に維持されるかなど輸出を代替する生産・消費力が必要である。ちなみに韓国の輸出依存度は、2019年32・94%(コロナ禍の影響を受けていない17年では37・5%)である。そして内需は逆数と見て19年67・06%(同62・5%)となるので、内需主導となると少なくとも外需は20%以下となる。例えばコロナ禍の影響のない17年の日本の輸出依存度は14・3%である。これらを参考に、韓国が内需依存型成長に転換するとなると、19年の輸出依存度32・94%を20%にまで引き下げ、その分内需を12・94%加えた80%にまで引き上げる必要がある。要するに、「内需拡大による成長パターンに切り替える」と声高に叫ぶ背景には「輸出依存度を20%以下に引き下げ、内需依存度を80%以上に押し上げて、それで経済成長をすることができる、という実効性を確保できている」という宣言なのである。


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