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2021/07/23

<オピニオン>転換期の韓国経済 第137回                                                       日本総合研究所 向山 英彦 上席主任研究員

  • 転換期の韓国経済 第137回                                                       日本総合研究所 向山 英彦 上席主任研究員

    むこうやま・ひでひこ 1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より(株)日本総合研究所勤務、現在調査部上席主任研究員。中央大学経済学部兼任講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など

  • 転換期の韓国経済 第137回                                                       日本総合研究所 向山 英彦 上席主任研究員

◆注目したい今後の中朝関係◆

 北朝鮮の動向分析は、韓国経済や東アジアの安全保障を展望する上で重要であるが、経済分析の面では多くの制約がある。なんといっても、北朝鮮が経済統計を公表していないからである。公表しないのは、米国から軍事・経済的圧力を受けているため、経済統計が国家の最重要機密になっているためである。

 こうしたなかで、北朝鮮経済の動向を把握する上で以下のものが参考になる。

 まず、韓国銀行が毎年7月頃に、前年の北朝鮮のGDP推計を発表している(現時点では昨年発表の2019年が最新)。これによれば、国際社会の経済制裁により、17年から2年連続マイナス成長になった後、19年はプラス0・4%になった。ただし、韓国銀行によるGDP推計については、韓国の情報機関が集計した数量データを韓国の同等品の価格で計算し、それをドル換算(換算レートは韓国ウォンの対ドルレート)して作成していることが問題点として指摘されている。

 これに対し、北朝鮮経済の専門家の多くは、毎年最高人民会議で発表される国家予算が経済動向を把握する上で重要と指摘する。北朝鮮では国有企業の経済活動がほとんどであるため、歳入が経済活動を反映していることが主な理由である。しかし、国家予算が毎年伸びているので経済が成長しているとは必ずしもいえないであろう。

 つぎに、韓国統一部が発表する資料から、南北交流に関連した統計が入手できる。開城工業団地の稼働に伴い南北の交易は増加したが、


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