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2021/10/29

<オピニオン>韓国経済講座 第243回                                                        アジア経済文化研究所 笠井 信幸 筆頭理事

  • 韓国経済講座 第243回                                                        アジア経済文化研究所 笠井 信幸 筆頭理事

    かさい・のぶゆき 1948年、神奈川県横浜生まれ。国際開発センター研究員、ソウル大学経済研究所客員教授、秀明大学教授。アジア経済文化研究所筆頭理事・首席研究員、育秀国際語学院学院長

◆韓国のCPTPP加盟は?◆

 本稿執筆時点では「包括的および先進的な環太平洋経済連携協定(CPTPP)」加入への正式意思表示はない。多くの報道をみると、韓国のCPTPPの加盟表明は10月末か11月初めに行われると言われている。先の中国(2021年9月16日)、台湾(同22日)の加入申請に刺激された格好だ。しかし、韓国はCPTPPの前身であるTPP交渉段階から加入への検討はしていた。

 今回のCPTPP参加検討は、これまで韓米FTAのような自由度の高い自由貿易協定を経験したことや、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)参加で地域連携強化の必要性などその経済的利益拡大に期待するものである。CPTPPでは米国が脱退したままであるが、韓国は韓米FTAで捕捉できるし、中国の加盟申請で最大の輸出市場国との自由度の高い協定を結ぶことができるのは魅力的である。さらに、台湾はITを中心に韓国と多くの主力産業分野が重なるため、台湾加盟による韓国の競争力低下も予想される。かつ台湾は中国より加入の可能性も高いとの予測もあり、そうなればTPPを主導する日本が台湾と半導体サプライチェーンをさらに強化することができる。こうした状況が今回の加盟検討を急ぐ動機となっていると思える。


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