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2022/07/15

<オピニオン>転換期の韓国経済 第149回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

  • 転換期の韓国経済 第149回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

    むこうやま・ひでひこ1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より22年まで(株)日本総合研究所勤務。中央大学経済学部非常勤講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など

  • 転換期の韓国経済 第149回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

◆最初の試練に直面する尹錫悦政権◆

 インフレが加速する一方、景気の先行きに暗雲が垂れ込むなど、韓国経済を取り巻く環境が厳しさを増している。この状況にどう対処するのか、5月に発足した尹錫悦政権は最初の試練に直面している。

 エネルギー・原材料価格の上昇に起因するインフレが、当初の想定以上に世界経済に負の影響を及ぼし始めた。また、ロシア軍のウクライナ侵攻による穀物輸出の減少は、一部で深刻な食糧不足を招いている。

 米国ではインフレの抑制を目的に、今年に入り相次いで利上げが実施された。4月、5月にCPI(消費者物価指数)上昇率が8%を超えたため、7月末のFOMC(米連邦公開市場委員会)でも0・75%の利上げが見込まれる。米国のインフレ加速の一因に、景気回復に伴う労働力不足と賃金の上昇があるため、利上げによるインフレ抑制は安定成長につながるものと期待される。


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