ここから本文です

2002/07/19

<在日社会>在日コリアン弁護士協会設立

 全国の在日コリアン弁護士が結集し、在日コリアンの人権運動などを促進するための団体「在日コリアン弁護士協会」が、20日に発足することになった。同日午後5時から大阪のヒルトン大阪ホテルで設立記念パーティーが開かれる。

 在日2世の金敬得弁護士(53)が、法的闘争の末に在日初の弁護士資格を得たのが1979年のこと。それから四半世紀を経て在日コリアン弁護士は現在、40人を超えた。

 この間、個々の在日コリアン弁護士は相互にゆるやかなネットワークを保ちながら交流を続けてきたが、在日コリアン社会の権利意識が拡大する中で在日コリアン弁護士の役割も一層高まっていると判断、協会設立に至ったものだ。

 約40人の弁護士のうち朝鮮籍の弁護士が2人いるため、界の名称を「在日コリアン弁護士協会」とした。代表は韓国国籍のペ薫弁護士(50、大阪弁護士会)と朝鮮籍の高英毅弁護士(45、第2東京弁護士会)が務め、事務所は大阪に設ける。東京にも事務局を置く予定だ。

 今後の運動目標として、在日コリアンへの差別撤廃、権利擁護、民族性の回復(民族教育の保障等)、参政権・公務就任権の確保などをあげている。世界のコリアンとの連帯も視野に入れている。

 協会では、「1世の想像を絶する努力と多くの日本人による支援、そういう先人たちの努力があって、在日コリアン弁護士が存在し、今回の協会設立にいたった。日本を少数者に寛容な開かれた社会に作りかえていきたい。それは日本社会全体にもにも計り知れない権利を与えるものと確信している。すべての在日コリアン弁護士が協会に参加することを期待する」と、設立趣旨を語っている。