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2003/02/28

<在日社会>在日が誇り持てる人権国家に

  • zainichi_030228.jpg

    ソウルの国会議事堂前広場で25日、就任演説を行う盧武鉉・新大統領

 盧武鉉新大統領が誕生し、韓国は新しい時代に入った。韓日関係、統一問題、経済改革など課題山積の新政権に、在日韓国人社会は何を期待するのか聞いた。


 ◆ 統一の実現を期待  李京煕さん(46、ホームヘルパー)

 朝鮮籍で1月に初めて韓国に行った。30代の青年と話す機会があったが、自分は盧武鉉支持で大統領選挙のときも応援活動をしていたと熱っぽく語っていたのが印象的だった。若者が頑張っていることに明るい未来を感じた。
 新大統領はこのような若者の期待を裏切ることなく、統一と発展のために粘り強く政策運営を行ってほしい。そして在日が民族的に誇りを持って生きられる、心の拠り所となる祖国を築いてほしい。


 韓国映画などを配給する映画プロダクションに勤務する在日3世の呉徳周さん(34)は、「金大中政権は映画産業振興に尽力し、その支援もあって韓国映画界は一大飛躍を遂げた。しかし、昨年あたりから韓国映画産業は少し落ち込みを見せている。盧武鉉・新大統領には引き続き国内映画産業を支援し、大きく育ててほしい。映画産業の発展は国力の発展にもつながるはず」と話し、さらに「日本文化の開放も一時中断しているが、粘り強く不信を取り除きながら、両国民が納得する形で進めてほしい。在日コリアンの問題については、韓日両国ともわかっているようでわかっていない。在日の置かれた現状を真に理解し、在日のための施策を実行してほしい」と強調した。

 韓日市民交流を行うNGO「日韓市民スクエア」の共同代表、孫明修さん(34)は、「韓国も日本も戦後世代が政権を担う時代になった。双方の実情を知っている在日コリアンが、韓日相互理解のために果たす仕事は大きくなると思う」としたうえで、「盧武鉉・新大統領は就任演説で、東北アジアの中心に位置する韓半島は、中国と日本、大陸と海洋を結ぶ懸け橋と言っている。韓国がそういう大きな役割を果たす国になるために、在日も具体的に出来ることがあるはずだ。すでにビジネスの世界では韓日を繋ぐ在日コリアンが登場しているし、市民運動のレベルでも今後、連携して活動することが増えると思う。在日の活躍する場を保証してほしい」と述べた。

 在日3世の李宇海・弁護士(45)は、「盧武鉉・新大統領は、民族統一を実務的・平和的に処理しなければならない初めての大統領になる可能性がある。在日コリアンからの新政権への希望は、韓半島の平和が維持されることであり、南北の政治状況によって在日コリアンが悪影響を受けることのないようにということが第1。第2は、韓国内の人権状況が、さらに向上することだ。新大統領は、女性、外国人、学閥など、五大差別の撤廃を公約とし、死刑廃止にも積極的であると聞く。東アジア全体の人権状況の向上が、日本にも強い影響を与える結果となることを期待したい」と語り、「今の韓国を担っている『386世代』は、韓民族の近・現代史上、最も自信に溢れた進取の世代ではないだろうか。新政権を下支えするこの世代と、在日コリアンの二世以降の世代の間に、今までの奇妙な相互蔑視ではない、差異を認めた上での互恵的な交流が始められるのではないか」ち締めくくった。