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2004/10/29

<在日社会>新潟中越地震・在日同胞も大被害

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        道路が普通となり孤立した被災者が、ヘリで救助された

 23日に発生した新潟中越地震は、これまで死者34人、避難住民8万9000人の大惨事となった。現地では余震が続き、寒さやショックで倒れる高齢者も続出している状態だ。

 新潟県下の在日同胞は2399人(2003年末)。中越地域での在日は140世帯前後で、大きな被害を受けたもよう。同胞世帯支援のため、民団、総連とも対策委員会を設置した。

 在日韓国民団中央本部(金宰淑団長)は、地震発生直後から民団新潟地方本部を通して情報収集に努めている。被災地域の同胞世帯は約80世帯と見られ、家屋の損壊や経営する遊技場が倒壊した家もあるとのことだ。幸い人的被害はない模様。

 民団は義捐金運動を始めるとともに、新潟県本部内に対策本部を設置して、同胞世帯の被害状況について具体的調査を進め、支援活動に取り組む。
 朝鮮総連は中央本部に対策委員会を設置するとともに、総連新潟県本部を通じて被害状況の調査を行っている。

 同胞世帯が比較的多い長岡、それに小千谷、川口など同地域の同胞世帯は約60世帯。多くの世帯が被害にあったが、人的被害はないとのことだ。川口では家が全壊した家族もいるとのこと。食糧や生活用品が足りず、また余震を恐れて車中で過ごす家族もいる。

 総連は震災翌日の24日から現地に人を派遣、被害状況を調査した。25日には同胞世帯に食糧を配給、励ましている。今後も全国から義捐金を募り、同胞世帯に支援物資を届ける予定だ。

 また新潟県朝鮮初中級学校は24日に開催予定だった文化祭を中止し、予定していた焼きそば、おでん、焼肉など700人分の食糧を小国町役場に伝達した。また長岡でも同胞からの救援物資を被災者全員に渡すなど、支援活動を行っている。