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2006/10/20

<在日社会>パチンコ最大手・マルハンに労組誕生

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    「共に手を携えて行こう」とあいさつする韓昌祐マルハン会長

 パチンコ業界最大手の株式会社マルハン(韓昌祐会長)に労働組合マルハンユニオンがこのほど誕生し、UIゼンセン同盟に加入した。今後、労使が力を合わせて社会的認知度を向上させ、上場企業を目指す。

 マルハンユニオンの躍進大会は18日、来賓、マスコミ関係者、マルハン200店舗の各店長など約250人が出席する中、千葉県内のホテルで行われた。

 大会では佐谷友己委員長(34)が、「8月31日に発起人が集まり、労組結成の準備を進め、9月28日に結成。そしてきょうの躍進大会になった」と経過報告を行い、「経営サイドと社員がパートナーとなって、2010年売上5兆円という目標を達成しよう」と語った。

 次に韓昌祐マルハン会長が、「社員の希望を組合を通じて寄せてほしい。世界のマルハンとなるため、共に手を携えて会社を発展させよう」とあいさつした。 

 来賓あいさつでは、マルハンユニオンが加盟するUIゼンセン同盟の橋本和秀副書記長が、「現在の組合員はサービス業が圧倒的で7~8割を占めている。パチンコ業界トップのマルハンに組合が出来、ゼンセンに加盟したことはパチンコ業界の地位向上に役立つだろう」と、期待を表明した。

 二宮誠東京都支部長は、「労使関係は鏡のような存在。笑顔に笑顔でこたえる。そういう良好な労使関係をつくってほしい」と述べた。

 同じパチンコ業界で2002年10月に結成された夢屋ユニオンの住谷一真執行書記長は、「組合活動の経験を伝えていきたい」と激励した。

 UIゼンセン同盟は、ゼンセン同盟、CSG連合、繊維生活労連が統合して2002年9月19日に発足。現在1919組合、86万4630人が加盟している産業別労働組合だ。
株式会社マルハンは1957年創業。昨年1月にパチンコ業界初の売上高1兆円達成。8月25日にマルハン青森浜田店をオープンして200店舗を達成した。

 マルハンが労組結成に至ったのは、この4年で店舗が100店から200店に急増し、経営側と従業員、そして社員同士の意志疎通を早急に図る必要があったからだ。

 業界最大手のマルハンに労組が結成されたことは、業界に大きなインパクトを与えるだろう。

 ゼンセン同盟へのパチンコ業界の労組加入は、98年のダイナムが最初で、マルハンは7社目。加入会社の売上規模ではマルハンがトップだ。

 ゼンセン同盟の幹部は、「組合を持つことはホール産業のイメージ向上や社員の定着率アップにもつながる。業界ナンバーワンのマルハンが組合を結成した意義はとても大きい。労使対等路線を大切に運営してほしい」と話す。

◆「社員の要望知りたい」韓昌祐マルハン会長◆

 この10年間で規模を急拡大してきたが、これだけ大きくなると、社員が会社に何を期待しているかわからなくなる。社員は組合を通じて希望を伝えてほしい。2010年に売上5兆円を目標にしているが、それを達成するためには社員と会社が一体化しないといけない。社員が気持ちよく働けるよう、要望に耳を傾けたい。

 日本が世界に発信したオリジナルな文化のトップはカラオケ、次がインスタントラーメンで、3番目がパチンコといえるだろう。海外からの出店依頼も多いが、慎重に進めている。

 パチンコ業界には過去、暴力団との関係や脱税など、不透明なイメージがあった。マルハンはクリーンな経営を実戦して、そのイメージを払拭するために闘ってきた。

 日本社会の20%がまだパチンコ業界への偏見を持っているといわれるが、その偏見を打ち破り、社会的認知を勝ち取るために労使が力を合わせていきたい。

 社業を通じ人々に生きる喜びと安らぎの場を提供するマルハンイズムを実践して日本のパチンコ業界を制覇し、次は世界に向けて発信しよう。

◆「労組の発展と会社の成長を」佐谷友巳執行委員代表◆

 企業基盤の確立を図り、競争力を高めていかないと会社の成長・発展はできない。労働条件を向上させ、業界の社会的地位向上を図るためにも、労働組合の結成意義は大きい。

 働きがい、生きがいのある素晴らしい会社「株式会社マルハン」の実現に向け、労働組合の立場から積極的な協力と活動を進めて行きたい。そして2010年の売上5兆円という目標を達成するため、執行委員は現場サイドから努力していく。