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2007/07/06

<在日社会>女子サッカーチーム育てる在日2世・文弘宣さん、韓日スポーツ交流に貢献

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    レオネッサ対大原学園戦はレオネッサが勝利(6月24日、神戸)

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                文弘宣会長

 在日2世の文弘宣さん(アコスホールディンググループ会長)が代表を務める女子サッカーチーム「レオネッサ」が、健闘している。現在5勝3敗で4位に付け、1部リーグ優勝を狙っている。「女子サッカーを通して地域社会、韓日交流に貢献したい」と、文会長は話す。

 2001年11月に発足した神戸の女子サッカーチーム「アイナック レオネッサ(レオネッサは雌ライオンの意)」には、中学1年生から成人女性まで幅広い女性たちが在籍している。

 文会長は当初、男子サッカーチームを保有したいと考えていたが、「男子サッカーは費用が多額だし、新規参入が難しい業界だったので知人の薦めもあって、女子サッカーチームを持つことを決意した」という。

 関西全域で選手を募集したこともあり、発足と同時に有力選手など40人が集まった。2002年に関西3部、2003年に同2部で優勝、2004年には同1部で初優勝するという快挙を成し遂げた。

 関西1部リーグで優勝したことで、Lリーグ(現在のなでしこリーグ)に加盟する資格を得て申請したが、「遊技業関係者がスポンサーにいるのはどうか」などの反対意見が強く、見送りとなった。そのため、特定非営利活動法人(NPO法人)アイナックを立ち上げ、関西地域の日本企業などに幅広く呼びかけ、約100社による運営主体としたことで反対派を説得。Lリーグへの加盟が認められた。

 そして2005年、Lリーグ2部に加盟すると16勝1敗1分け、総得点83、失点16という圧倒的な成績で優勝。1部への昇格を果たした。

 2006年1部リーグでの試合に臨むが、女子サッカー最高峰だけあって苦戦、8チーム中5位でシーズンを終えた。しかし、選手たちが貴重な経験を得る一方、昨年夏には初の韓国遠征も実現。韓日スポーツ交流を深化させると同時に、日本よりまだまだ遅れている韓国女子サッカーのレベルアップに貢献した。

 そして迎えた今シーズン、韓国から2人の選手を入団させるなど選手補強を固めた。6月24日の対大原学園戦は3対1で勝利、7月1日の岡山湯郷ベル戦は2点を先制するも、その後3点取られて惜敗。ここまで5勝3敗の4位に付けている。

 チームの要は原歩(28)で、1日の試合でも先制点をあげている。女子サッカー日本代表にも選出され、去る6月3日の韓国戦にも出場。同じく同チームの韓国人選手、李珍和も韓国代表に選出されており、同チームから2人の代表が選出される快挙を果たしている。

 文会長は、「日本にスポーツ文化が根付く一助となるため、そして居住する神戸への地域貢献を考えて活動してきた。NPO法人にしたことで、加盟企業のスポーツへの関心が高まった。また、(自分がチームを運営することで)在日コリアンへの評価も良くなったと自負している」と話し、さらに「女子サッカーを通して、日本と韓国はもちろん、東アジアのスポーツ交流発展のために今後も頑張りたい」と強調した。

 次の試合は8日のTASAKIベルーレ戦(午後1時、アスパ五色)。初優勝はもちろん、来年の北京五輪への代表選手選出も目標に、オーナー、監督、選手一丸となっている。