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2008/04/04

<在日社会>突然の金建治候補「登録無効」通達・在日韓国商工会議所会長選挙、奇妙な選挙管理委の決定

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            記者会見する金建治候補(4月3日午後2時)

 4月26日に開かれる在日韓国商工会議所の会長選挙に立候補した金建治・前会長が、立候補登録受付を選挙管理委員会によって無効とされる奇妙な事態が発生した。金建治事務所は直ちに反論、3日には記者会見を開き、7日までに提出される選挙管理委員会の回答文書を待って、次の対応を決定すると発表した。

 在日韓国商工会議所の会長選挙立候補者登録受付は、先月24日から26日にかけて行われ、金建治・前会長と崔鐘太・現会長の2人が立候補を届け出た。

 ところが選挙管理委員会から、28日付けで金建治候補あてに「会長立候補登録無効に関する通達」が出され、30日午後に金建治候補の元に届いた。選挙事務所では直ちに協議を重ね、「立候補に問題はなく、無効はおかしい」とする異議申し立てを選挙管理委員会に提出し、3日昼までの回答を求めた。

 回答が得られなかった場合、民団中央への提訴を行うなどの対抗措置も決めた。

 これに対し選挙管理委員会側は、「金建治候補の登録は無効」とした公文を1日付けで発送。

 3日午前、安相鳳選挙管理委員長から、「7日までに文書で正式回答するので待ってほしい。内容は変わらない」との電話が金建治選挙事務所にあった。

 金候補は3日の記者会見で、「7日まで対応を保留する。どんな妨害があっても公明正大、誠実に選挙を戦う」と語った。

 今回の事態は、2005年の前回会長選挙に端を発している。金建治会長(当時)と崔鐘太副会長(当時)の一騎打ちで、崔候補が100票対87票で金候補を破り、会長に就任した。

 同年11月に世界韓人商工人総連合会の日本支部が発足し、金建治氏が初代会長に就任。在日韓国商工会議所の関係者から「分派活動ではないか」との批判も起きていた。しかし、両方と関係を持つ在日商工人も多く、先月18日に開かれた全国理事会でも意見が出たが、継続審議となっていた。

◆選挙管理委員が次々辞任◆

 登録無効については、選挙管理委員会内部でも意見の対立があったとの憶測が流れている。当初委員に推戴された鄭圭泰顧問が辞任。その後、洪采植顧問が選挙管理委員長に選任され、委員=張斗會、兪在根、高ボンヒョン・安相鳳氏の5名で構成されていたが、「一身上の都合」で洪委員長が3月26日付けで辞任。登録無効の通達は、委員長=安相鳳氏と委員3人の4名で出された。そして3月29日付けで張斗會委員も「一身上の都合」として辞任した。

 また、立候補者の姻戚関係者が委員の中にいることから、委員会構成に不信論も出ている。


◆登録無効通達内容◆

 「3月26日に開催された選挙管理委員会にて選挙規約第5条第3項に基づき審査した結果、下記事由により本会定款第12条等に抵触しており、立候補登録は無効と決定した」

 ①2005年10月25日開催の本会「第44期第1回緊急顧問団・会長団連席会議」において、「在日世界韓人商工人連合会」なる組織が発会すれば、本会とは相容れない分派的組織であるとの決議がなされ、世総の韓昌祐会長に決議文を送り、発会しないよう要請したにもかかわらず、発会され貴下はその会長として中心的役職に就かれた。

 ②「第44期第1回全国理事会」に出席した後は、本会の活動に一切参画せず、本来就任すべき本会名誉会長への就任を、2005年8月5日付の書簡にて放棄したこと。

◆金建治候補の異議申し立て◆

 ①「定款・規約」上、本会において決議機関としては(旧定款に依拠)、総会、理事会(全国会長団会議)、執行部会議の3つがあるが、「顧問団・会長団連席会議」とは何か。「定款・規約」に表記されない会議は単なる「話し合い」の場であり、規約抵触論拠としての「決議」はされることはない。また2008年3月18日開催の「第46期第4回全国理事会」において、この問題は「継続審議」と決議されている。

 ②「第44期第1回全国理事会」の「執行部会議」に慣行として出席しようとしたが拒否された。「呼んでないのに来た」という言葉を多くの方々が聞いている。

 旧規約第38条第3項によれば「名誉会長の就任は会長団の承認を受けなければならない」とある。(それほどの重職なのに)上記のような扱いを平気で行い、その後の会議の連絡を始め、会務一般についての報告もない。名誉ある会長としての重職を全うすることは不可能に近い。よって辞職を表明した。

 さらに③通達無効が出された公文の選挙管理委員会は4人で構成されているが、本会選挙規約第4条第2項で「選挙管理委員会は3名または5名で構成する」とあり、4名で構成するのは規約違反、④3日以内に登録無効を通達すべきを、通達が届いたのは30日であるから規約違反になる。