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2009/07/24

<在日社会>韓信協・通常総会を開催

  • 韓信協総会・会員組合の合併推進を

    あいさつする洪采植・韓信協会長(中央)

 在日韓国人信用組合協会は22日、第58回通常総会を都内のホテルで開き、厳しい金融環境を克服して、生き残るため会員組合間の合併推進などの対策を協議した。特に、近く本認可がおりる新韓銀行現地法人設立への対応で、共存共栄へ向けて協定書を正式締結することを決めた。

 洪采植(ホン・ジェシク)会長は冒頭あいさつで、「会員組合の3月期決算はばらつきがあるが、厳しい経営を強いられており、今年、来年が正念場である」として、合併推進を強く訴えた。

 最盛期38組合があった在日信組は、現在7組合に減った。預金量も3月末で7組合合計で5630億円にすぎない。しかも、金融環境は厳しくなる一方であり、繰越欠損の増加、自己資本比率の低下、慢性的な無配当など先行き不透明な組合が増えている。このような現状では単独での生き残りは困難な状況であり、生き残りの選択は統合・合併しかないとの判断だ。

 総会は、組合同士の交渉を促し、合併の枠組みができれば、合併に必要な資本増強などを側面支援する方針を打ち出した。これと関連、鄭進(チョン・ジン)・民団中央本部団長は、8月末までとなっている預金増強運動を年末まで続ける考えを明らかにした。

 今回の総会ではまた、新韓銀行の在日支店現地法人化についての対応が明らかにされた。

 この問題が表面化したのは、リーマンショック後の昨年11月中旬ごろ。会員組合にとってはショックだった。設立認可申請に関して新韓銀行側から事前協議が全くなかったことに苛立ちを隠していない。

 銀行と信用組合は、営業領域や金融機関としての役割に違いがあるが、新韓銀行が現地法人化されれば、既存の在日信組との間で預金者の取り合いや様々なトラブルも起こりうる。現地法人に比べ、信組の方が融資枠や金利、人材面などでハンデがある。このような現状を踏まえ、協会と新韓銀行側は仮認可が下りる直前の4月22日に双方の共存共栄のための協定書を締結した。

 近く本認可が下り次第、正式に再締結する予定だ。具体的内容については今後詰めていくことになるが、協会では、協定書締結を会員組合が生き残る手段と位置づけている。協定書は法的強制力のない紳士協定であるが、双方で業務協議会を設置して協議していくことになる。

 ともかく、会員組合は経営体制を一層強固にすることを迫られている。と同時に、在日社会における金融状況は新たな時代に突入しそうだ。


◆洪会長・規則改正し任期継続 あすか信組は反対◆

 一方、韓信協会長職について、洪采植会長が残り任期1年を継続することが承認された。

 洪会長は、先に中央商銀で起きた職員による横領事件の責任をとって理事長を退任し、現在は理事職についている。

 これまで韓信協会長は各組合の代表理事が務めていたため、会則の一部を改正して、「残余期間を限度に会長職を継続することができる」とした。

 これに対してあすか信用組合は、「前例がない」として反対の立場をとった。しかし、残り6信組が賛成したため、継続が決まったもの。