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2009/12/04

<在日社会>日本の伝統芸能で韓日交流促進

  • 日本の伝統芸能で韓日交流促進

                 今藤 珠美 さん

 日本の伝統芸能による韓日交流が行われている。三味線奏者の今藤珠美さんは、月に1回ソウルの日本文化院で韓国人に三味線を教えている。また日本舞踊・花柳流の名取試験にパスした初の韓国人女性も誕生した。

 三味線奏者の今藤珠美さんは、2007年から駐韓日本大使館広報文化院で「日本を知るためのワークショップ三味線教室」を月に1回開催し、韓国人に三味線を教えている。韓国の大学でも教室を開催したり、韓日交流まつりでも三味線演奏を披露するなど、活動の幅を広げている。08年には日本語と韓国語をミックスしたCD「韓国への愛」を製作した。

 今藤さんが韓国に関心を持ったのは韓流ドラマがきっかけだ。日本文化院の依頼を受けてソウルで三味線を弾いたところ、習いたいという希望者が殺到、今藤さんは文化院の一室を借り、自費で毎月渡韓して三味線を教えるようになった。これまで3年間継続している。現在生徒は約30人。今藤さんは、「韓国と出会って人生が変わった。草の根交流こそが大切と考えて、これまで教室を運営してきた。韓国のお弟子さんは熱心なので教えるのが楽しい」と話す。

 韓国女性初の日本舞踊の名取となり、「花柳韓涛」の名前を得たのは、同流師範の花柳春涛(しゅんとう)さんから指導を受けていた鄭渼領(チョン・ミリョン)さん。鄭さんは98年、誠信女子大学日語日文学科3年生当時、日本舞踊を知った。知人の紹介で花柳春涛さんと出会い、卒業後の2000年、ソウルの日本大使館広報文化院で花柳春涛さんが日本舞踊教室を開講していることを知り、その教室に通う。

 04年に筑波大学大学院博士課程に留学。学業と同時に日本舞踊を学び、花柳春涛さんの発表会で花柳流試験科目である長唄「汐汲(しおくみ)」、舞踊「藤娘」「五郎」などの同流名取試験に、7月合格した。鄭さんは現在、母校の誠信女子大学で日本語を教えている。来年4月に東京の国立劇場で、今藤さんの韓日両国の弟子による演奏と鄭さんの日本舞踊が披露される。