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2010/11/19

<在日社会>図書1205冊韓国へ返還・両国首脳が正式調印

  • 図書1205冊韓国へ返還・両国首脳が正式調印

    朝鮮王室儀軌を前に握手する李明博大統領㊨と菅直人首相

 韓日両政府は14日、横浜で開かれた韓日首脳会談で、「日本が韓半島に由来した図書1205冊を引き渡す」という内容の協定に署名した。同協定は発効から6カ月以内に図書を引き渡すとともに、両国の文化交流発展に向け協力するとの内容が盛り込まれている。日本から韓国への文化財返還は、これで一歩前進したが、日本にはいまだ多くの韓国文化財があり、「これを機に返還運動を前進させたい」との声も出ている。

 李明博大統領は会談で、「今回の図書返還は、韓日関係の画期的な変化の出発点になる」と語った。また菅直人首相は、「日韓図書協定署名によって、未来志向的な韓日関係を広げていけるだろう。早期に国会で承認し、早く引き渡せるよう努力したい」と述べた。また在サハリン韓国人への支援や、韓半島出身者の遺骨返還などでもさらに努力することで合意した。

 これで日本の植民地時代に、韓国から日本に持ち出された「朝鮮王室儀軌」(朝鮮王朝時代の祭礼や主要行事を絵や文で記録した書物)など図書1205冊が、韓国に返還されることになったが、文化財返還問題はいまだ不十分な状態が続いている。

 韓国国立文化財研究所の調査によると、日本への流出が確認された文化財は10万7857点に上り、このうち6万1409点が日本の国立博物館や大学、寺など250カ所にあることが明らかになっている。強制的に流出した文化財だけでなく、中には贈与や売買の形で日本に渡ったものもあり、詳細な調査が必要となっている。

 韓国政府は来年4月、文化財庁に「国外文化財還収チーム(仮称)」を設置する予定で、同チームは、海外に流出した文化財の調査・研究を行い、その成果をもとに返還を求める文化財を選定する。返還運動関係者は、「流出過程の調査を詳しく調べて、返還対象となる文化財は追加で返還されることが、未来志向の韓日関係に望ましい。そのためには日本側も事実調査に協力してほしい」と話す。

 李明博大統領とフランスのサルコジ大統領はソウルで12日に行われた首脳会談で、朝鮮王朝末期の19世紀にフランスが持ち去って、現在はフランス国立図書館に所蔵されている王室図書を、韓国に事実上返還することで合意した。

 同図書は朝鮮王朝時代、王室関連の文書・図書を保管した図書館「外奎章閣」が所蔵していたもので、1866年にフランス艦隊がソウル近郊の江華島を攻撃した際に持ち出され、この間、返還をめぐって話し合いが続いていた。今回、フランスが韓国に「貸与」する形で引き渡されるが、実質的な返還となる。