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2010/04/23

<在日社会>韓日合作 映画、ドラマ続々公開

  • 韓日合作 映画、ドラマ続々公開

    映画『チョルラの詩』より

 韓日の文化交流が盛んになる中、在日を主人公にした映画も作られている。在日青年がアイデンティティーを求めて韓国を訪ねる姿を描いた映画『チョルラの詩(うた)』が、6月に公開。また日本の脚本家の作品を韓国でドラマ化した作品が、昨年の韓国に引き続き、日本でも5月末に上映される。

 『チョルラの詩』は、80年代を舞台に、在日、韓国の青年が繰り広げる青春ラブストーリーだ。

 1987年冬、韓国の全羅道ではソウルオリンピックに向け、高速道路の建設が急ピッチで進められていた。

 その年、祖父の葬式に参加するため、日本の学校で非常勤講師として詩を教えている在日韓国人の幸久(ソ・ドヨン)は数年ぶりに全羅道を訪れる。

 幸久は、故郷の発展のため高速道路の建設に従事している従兄弟のカンス(キム・ミンジュン)と再会する。久しぶりの再会を喜ぶ幸久とカンスだったが、カンスの幼馴染、ソンエ(キム・プルン)が戻ってきたことで、二人の関係にも微妙な亀裂が入り始める。

 韓国でも独自の文化・風習・美しい自然を持つ全羅道を舞台に、懸命に生きようとする青年達の姿が描かれる。特に自分の存在に悩み、それを詩に表現しながら生きている在日韓国人の青年を通じて、在日の歴史と存在を考えていく。

 監督はこれが2作目の川口浩史。監督以外はオール韓国人のスタッフで、ボーダレスに生きる人々の繊細な心理を描き出した。

 5月29日に公開される『テレシネマ7』は、07年第2回東アジア脚本家カンファレンス(上海)に参加した日本放送作家協会員により発案され、韓日の作家協会、テレビ関係者の共同作業で実施された企画だ。

 日本の人気脚本家がオリジナル作品を書き、韓国の人気俳優・監督でドラマ化する韓日共同制作の作品で、国境を越えて同じ感動を共有できるような作品を目指して制作された。韓国ではすでに、09年11月5日より劇場公開されている。

 北川悦吏子脚本の『天国への郵便配達人』、中園ミホ脚本『石ころの夢』など7つの作品で構成され、順次上映される。

 最近の韓日世論調査を見ても、相手国のテレビドラマへの関心は高まっており、「相互交流に大きな役割を果たしている」との回答が出ている。昨秋の韓国上映でも、「日本への理解が深まった」「今後も続けてほしい」との声が寄せられている。日本での上映結果を見てから、継続に向けた話し合いを進める予定という。