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2010/07/09

<在日社会>鳥取県・日韓交流で経済活性化を

  • 鳥取県・日韓交流で経済活性化を①

    風の丘・日韓友好資料館

  • 鳥取県・日韓交流で経済活性化を②

    アテナ 戦争の女神

 鳥取県が韓国との交流に力を入れている。鳥取県は94年に韓国・江原道(カンウォンド)と提携を結んでおり、文化・スポーツ交流を行ってきた。韓国ドラマ『アテナ 戦争の女神』の鳥取ロケも決まり、県では経済・文化をはじめ、観光交流促進に大きな期待を寄せている。

 鳥取県がいま力を入れているのが、韓国ドラマ『アテナ 戦争の女神』の日本ロケだ。

 同作品は、現在TBSで放映中の人気ドラマ『IRIS(アイリス)』の続編的作品となる。チョン・ウソン、チャ・スンウォン、スエら大物俳優が出演し、韓国ではSBSで11月に放映開始となる。『IRIS(アイリス)』では秋田ロケが行われ、ドラマ放映後、韓国人観光客が殺到したことから、鳥取県は撮影誘致に力を入れてきた。

 ロケ地として決定後、今月初めに制作会社の鄭泰元(チョン・テウォン)社長らが鳥取を訪れ、鳥取砂丘など撮影予定地を視察している。すでにイタリアロケが始まっており、鳥取ロケは早ければ8月下旬に始まる。

 鳥取県は、境港と韓国・ロシアを結ぶ日韓ロ定期貨客船航路を結んでおり、同航路を通じた経済交流、観光交流の活性化に向けて、3カ国で推進することで合意している。2012年には国際マンガサミットを鳥取で開催し、韓国・ロシアから観光客を大々的に呼ぶ計画だ。

 また定期貨客船を使った学生交流にも力を入れており、その一環として、境高校の教師・生徒ら7人が11日から韓国・東海を訪れ、東海商高の生徒と交流する。小鉄治人校長が昨年訪韓し、定期貨客船を活用した交流を話し合ってきたもので、具体化したのは今回が初めてだ。東海商高の授業に参加する予定で、同校では修学旅行の韓国訪問はこれまで行っているが、貨客船を使った交流も続けていく計画だ。

 鳥取では「話してみよう韓国語大会」が毎年開かれ、「日韓交流おまつり」にも県内の高校から「荒神神楽」が参加している。また鳥取市にある「鳥の劇場」では、「第17回ベセト演劇祭鳥取」を24日と25日に開催。日韓中の演劇を日替わり上演し、文化交流を進める。24日にはシンポジウム「海でつながる、地域の未来」も開催する。

 鳥取にはまた、1819年に韓国を出航した商船が嵐で難破し、現在の琴浦町付近に漂着し、鳥取藩が乗組員12人を保護し、長崎経由で韓国へ生還させたことなどを記念した「風の丘・日韓友好資料館・物産館」があり、韓国との友好交流のシンボル的存在となっている。