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2010/10/15

<在日社会>天皇陛下「桓武天皇生母は百済の子孫」

  • 天皇陛下「桓武天皇生母は百済の子孫」

    韓日中の子ども達がコーラスで韓日中友好をアピールした

 平城京に都が移されて1300年を記念する「平城遷都1300年記念祝典」が8日、奈良市の平城宮跡で開かれた。日本の天皇、皇后両陛下をはじめ、日本に古代文化を伝えた韓国・中国など47カ国の大使ら約1700人が出席した。天皇陛下は、「平城京は父祖の地として深いゆかりを感じる。桓武天皇の生母は続日本紀によれば百済の武寧王を始祖とする渡来人の子孫である」と、古代韓国と皇室が深い縁にあると述べられた(別掲)。

 式典では、奈良時代の女官、文官、武官に扮した踊り手たち約100人が、歓迎の舞や楽劇などを披露し、海外の参加者は熱心に見入っていた。また関西にある韓国系・中国系の学校の子ども達が、日本の子どもたちともにコーラスで韓日中交流をアピールすると、会場から大きな拍手が起きた。

 韓国・京畿道の方基成(パン・ギソン)・副知事は「奈良は不思議な魅力を持った地だ。昔を振り返りながら、未来の交流につなげていければ」と語った。

 16、17日は平城京遷都1300年記念事業の一環として「平城京韓国祭コリアンフェスティバル」が、平城宮交流広場・まほろばステージで開かれる。

 16日は在日コリアンデーとして、白眞勲・民主党参議院議員、元WBC世界スーパーフライ級チャンピオンの洪(徳山)昌守(ホン・チャンス)さん、モデル・タレントのアン・ミカさんによるライブトーク「輝くコリアン」、民族舞踊、韓日の歌謡コンサートなどが行われる。

 17日は大韓民国デーとして、サムルノリ、カヤグムなどの伝統芸能が披露される。
 
 平城京の時代、多くの渡来人が文化を伝え、日本の古代国家建設に貢献するなど、古代の韓半島と日本列島が東アジアの共存共栄のモデルであったことを認識し、多民族共生社会と東アジアの平和定着を願ってのイベントだ。


◆「渡来人が文化発展に寄与」天皇陛下の発言一部抜粋◆

 平城京について私は父祖の地としての深いゆかりを感じています。そして、平城京に在位した光仁天皇と結ばれ、次の桓武天皇の生母となった高野新笠(たかののにいがさ)は続日本紀によれば百済の武寧王(ぶねいおう)を始祖とする渡来人の子孫とされています。

 我が国には奈良時代以前から百済を始め、多くの国から渡来人が移住し、我が国の文化や技術の発展に大きく寄与してきました。

 仏教が最初に伝えられたのは百済からでしたし、今日も我が国の人々に読まれている論語も百済の渡来人が持ち来ったものでした。