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2011/06/10

<在日社会>東日本大震災・韓国での支援活動続く

  • 東日本大震災・韓国での支援活動続く

    韓国は救助を真っ先に派遣するなどは、積極的な支援活動を行ってきた

 3月11日の東日本大震災発生から、あすで3カ月を迎える。隣国の危機を支援しようと盛り上がった韓国では、現在も市民ボランティアが被災地を訪れたり、芸能人のチャリティー活動などが積極的に行われている。

 韓国の市民団体「韓日社会文化フォーラム」のメンバー10数人はこのほど、東日本大震災被災者支援のボランティア活動に参加した。

 大学生や就職活動中の若者たちが中心のメンバーは、自費参加、宿泊先や食事の確保、日本語通訳を用意するなどの準備をクリアして、震災から2カ月が過ぎた現地に入った。一行は、壊れた建物の瓦礫を1カ所に集める仕事を行い、また被災した住宅などから見つかった写真などを集める作業も行った。

 参加者の一人は、「震災から3カ月近くになるが、まだまだボランティアが必要とされていることを感じた。家族写真を見つけるたびに、この人たちが生きていてほしいと思わずにはいられない。必ず持ち主に渡したい」と話した。同団体などでは、夏休みに次のボランティア派遣を行いたいとしている。韓国で被災者のために集められた義援金の一部が、在日韓国人被災者にも届けられた。宮城県の仙台総領事でこのほど伝達式が行われ、被害状況によって30万円から100万円が22人の被災者に手渡された。

 領事館では申告を現在受付中で、在日被災者の連絡を待っている。

 東日本大震災の被災者などを支援するチャリティーコンサートがこのほど都内で開かれ、先天性の障害を持つ韓国人ピアニスト、李喜芽さんが出演し、ベートーベンやショパンの名曲を演奏した。

 李さんは両手の指が2本ずつしかなく、両足もひざから下がない。母親の助けを受けながら猛訓練でピアニストとなり、現在は世界中の苦しむ人たちを励ますため演奏活動を行っている。

 李さんは、「一日も早い復興を願う」と話した。

 日本で現在放映中の韓流時代劇『イ・サン』の主演俳優イ・ソジンさんは、津波で大きな被害を受けた青森県八戸市市川町で植樹を行った後、黒石市内のリンゴ農園でリンゴの苗木3本を植樹した。イ・ソジンさんは「被災者のために何かしたいと考えていた。2年後に美しいリンゴの花が咲き、東北の人々の心を癒やすことを希望する。多くの人たちが被災地を訪問し、被災者を励ましてくれることを願っている」と語った。

 張智恵・韓国伝統舞踊研究所主宰の「東日本大震災支援チャリティー公演」がこのほど、名古屋市中村区の愛知韓国人会館で開かれ、150人が参加した。

 張さんは大阪出身の在日3世。同研究所メンバーによる鎮魂の舞などが披露された。収益金は被災地へ寄付される。