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2011/09/09

<在日社会>耽羅文化祭・都内で開催、福島の小学生招待

  • 耽羅文化祭・都内で開催、福島の小学生招待

    耽羅文化祭ではミュージカル公演などが行われた

 3月11日の東日本大震災発生から、まもなく半年を迎える。在日社会でも被災者支援活動は継続して行われており、8月30日、福島の小学生たちが都内で開かれた耽羅(済州道の古称)文化祭に招かれた。また韓国京畿道の富川市と日本の神奈川県川崎市の友好都市締結15周年を記念した「”絆” 東日本大震災支援 日・韓チャリティーコンサート」が2日、川崎市内で開かれた。

 耽羅文化祭は、済州道の伝統文化を紹介するとともに、韓日文化交流を促進するため、東京・足立の西新井文化ホールで約800人が出席して開催。済州道の伝統芸能やミュージカルなどが上演された。

 済州道出身の在日同胞や地域の日本人などの観客に混じって、東日本大震災の被災地、福島県いわき市地域の少年野球チームのメンバー、小学4、5、6年生約40人が招かれた。

 今回の招待を企画した呉賛益氏(済州・新世界7不思議自然版選定日本地域推進委員長)は「異文化に触れてもらいたかった。楽しんでもらったと思う」と語った。

 この少年野球チームは、昨年、高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会で優勝。1万5000チームのトップに立った福島県・常磐軟式野球スポーツ少年団のメンバー。

 子どもたちはユニフォーム姿で、初めて見る韓国のミュージカルなどを真剣な眼差し見入っていた。「福島からよく来たね」と準備した人たちからあたたかい歓迎を受けた。子供たちからは、「きれいな舞台だった」「韓国が好きになった」「大人になったら絶対韓国に行く」といった声が聞かれた。

 チーム代表の大平清美さんは、「昨年12月のアジア大会の第一戦が韓国戦で、子供たちは仲良くなり、簡単なあいさつを韓国語で覚え、身近に感じていたようだ」とし、「原発被害で4月まで避難所暮らしで、被災した親族も多い。もう、元には戻れないだろう。新しいスタートを切るしかないが、今回、みんなから優しくされ、韓国の文化に触れて本当に癒しになったようだ」と話した。

 富川市と川崎市の市民交流開始20周年、友好都市提携15周年を記念した「”絆” 日・韓チャリティーコンサート」には、来日した富川市の金晩洙市長一行、川崎市民ら約1000人が参加した。

 コンサートでは、在日2世の声楽家・李明花さん、先天性障害を克服し、2本指のピアニストとして活動する韓国の李喜芽さん、日本のベテラン歌手・加藤おさむさんらが出演し、韓日友好と東日本大震災復興支援を願って演奏した。

 両市はこの間、映像や音楽、漫画などの文化芸術を通じた交流を重ねており、一層の交流深化を確認した。また富川市は震災被災者への支援を川崎市を通して行ってきたが、今後も継続して行う意向を示した。