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2011/09/16

<在日社会>OECD教育指標・韓国の教育負担2位

  • OECD教育指標・韓国の教育負担2位

    教育費の負担が大きい

 OECD(経済協力開発機構)加盟各国の教育状況を調査した「2011年OECD教育指標」が13日に発表された。韓国は大卒者比率がOECDトップだったが、国立公立大学の学費が米国に次いで2番目に高いことがわかった。教育費の家庭負担も2番目に高かった。

 同調査は毎年9月に発表。OECD加盟国の教育水準を、教育投資など4領域29指標で評価。

 韓国は25~34歳の人口の98%が高校を卒業しており、4年連続で1位になった。同年齢帯の高等教育(短大以上)の卒業者比率も63%となり、昨年に続き2年連続トップとなった。韓国は同調査の対象年齢全体(25~46歳)の高校・大学教育履修率もそれぞれ80%と39%となり、OECD平均(73%、30%)を上回っている。

 満15歳の生徒(中3または高1)を対象にしたPISA(生徒の学習到達度調査)でも、読解力試験で韓国はフィンランドと並んで1位(平均539点)を占めている。

 また親の職業・学歴など社会・経済的背景が不利な生徒の中で、成績が上位25%以内に入った生徒の比率は14%で1位だった。OECD平均は7・7%なので、家庭環境を克服する生徒が高いことも明らかになった。

 このように進学率、生徒の質が高い韓国だが、一方で教育費の比率が大きく、家庭負担の大きいことがわかった。

 小・中・高校および大学教育のために韓国政府が負担する公的支出はGDP比4・7%の20位にとどまった。日本は公的支出が3・3%でデータ比較が可能な31カ国中最下位となった。

 トップはノルウェー7・3%、次がアイスランド7・2%、デンマーク6・5%で北欧諸国の比率が高い。

 大学生に政府が支援する奨学金比率は6%で、OECD平均(11・4%)の半分だった。また韓国の高等教育費のうち学生・保護者・学校法人などの民間負担比率(77・7%)が高いことが明らかになった。

 教育支出に占める私費負担の割合も、トップのチリ(41・4%)に次いで韓国が2番目(40・4%)となった。日本は3番目で33・6%。

 韓国の教育熱と競争の激しさは世界的にも知られているが、家庭の経済的負担も大きいことが今回の調査で明らかになった。少子化も世界トップクラスのスピードで進んでおり、受験のための教育による教育の質の低下も問題となっている。「早急に教育改革を」との声が起きている。