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2013/03/22

<在日社会>震災テーマの演劇「祝/言」・韓日中共作で10月上演

  • 震災テーマの演劇「祝/言」・韓日中共作で10月上演①

    震災で消えた小さな命展

  • 震災テーマの演劇「祝/言」・韓日中共作で10月上演②

    演劇「祝/言」制作発表会

 東日本大震災を忘れない取り組みが続いている。東京・四谷の韓国文化院では、東日本大震災復興支援チャリティー「震災で消えた小さな命展2」を4月2日から6日まで開催。また今年10月から韓日中共催の震災テーマの演劇「祝/言」が、3カ国で上演されることが決まった。

 韓国文化院ギャラリーで開かれる「震災で消えた小さな命展2」は、震災で犠牲に亡くなった命の中には、様々な動物・植物があったことを知らせ、命の尊さを改めて考えるために開かれる。

 被災者の中には、家族同様の動物と別れて悲しい思いをしている人たちが大勢存在する。反対に飼い主が見つからず、ひとりぼっちになった動物たちを世話しているボランティアの人たちも被災地域にはいる。震災で亡くなった多くの人命、そして動物たちの命に思いをはせる。

 展示される作品は、震災の復興のため韓国と日本、そして世界の絵本作家や画家、イラストレーターが一つになり、失われた小さくて大切な命を想い描いた作品である。

 「同展を通して、現在も苦しんでいる被災地の方々に勇気と希望を伝えられれば」と関係者は話す。入場無料。℡03・3357・5970(韓国文化院)。

 演劇「祝/言(しゅうげん)」の巡回公演は、10月から3カ国8都市で行われる。3カ国の俳優、舞踊家ら約30人が参加する共同制作プロジェクトで、東日本大震災で受けた痛みを共有し、東アジア3カ国の友好と未来を考える企画だ。国際交流基金と青森県立美術館が1億円を投じて制作する。

 脚本・演出は同美術館舞台芸術総監督の長谷川孝治氏で、長谷川監督は「祝言の間に/があるのは祝うべきところに傷が入ったという意味だ。震災を経験し、3カ国それぞれが痛みをどのように共に克服していくか、その苦悩を込めて制作したい」と話す。

 同演劇は、東北地方の海辺の都市で、韓国人留学生の女性と日本人男性が結婚式を挙げる前日に震災が発生し、一瞬のうちに全てを失う悲劇を描く。韓国公演は大田(10月19~20日、大田文化芸術の殿堂)、ソウル(同25~27日、大学路芸術劇場)、全州(11月1~3日、韓国ソリ文化の殿堂)で行われる。