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2013/06/14

<在日社会>韓国・外国人150万人時代へ

  • 韓国・外国人150万人時代へ

    多文化家庭の子どもたちで構成されたレインボー合唱団の公演がこのほどソウル市内で行われた

 法務部と出入国外国人政策本部はこのほど、韓国在住の外国人が150万1761人になり、初めて150万人を超えたと発表した。韓国の人口100人中3人が外国人ということになり、今後、多文化社会へ向けての取り組みをより加速化することが望まれる。

 韓国に滞在する外国人の数は、1990年代末までは米軍や観光客、各産業の研修生などを中心にして、約38万人だった。しかし、2000年代に入って韓国の国際化が進んでいくのと同時に外国人が急増。

 10年前の2003年には67万8687人、韓国が在外同胞を対象にして訪問就業制を導入した2007年には106万6000人と100万人を突破して、「外国人100万人時代」が始まった。

 今年4月末時点の滞在外国人(148万6367人)を国籍別にみると、朝鮮族を含む中国出身者が49・9%と約半数を占める。次いで米国が9・3%、ベトナムが8・1%、日本とフィリピン、タイが各3%程度になる。滞在外国人には不法滞在者17万9516人も含まれている。

 年齢別に見ると、20~29歳が28%と最多。次いで30~39歳が25%、40~49歳が19%、50~59歳が15%、60歳以上が9%となった。

 この間、韓国人と結婚して韓国で生活する外国人(結婚移民者)が増えている。韓国籍を取得していない結婚移民者は今年14万9386人で、そのうち85・7%が女性である。

 韓国政府は、国際結婚による韓国定住者や韓国籍取得者など、外国出身者のいる、いわゆる「多文化家庭」の増加を受け、各地に多文化センターを設置し、外国人の人権政策などを取っているが、不十分との指摘が関係者などから出ている。家庭内暴力や給料未払いなど人権侵害の報告も多く寄せられている。

 多文化問題に取り組む学者などからは、「韓国は多文化社会に向かって加速化している。外国人と調和しながら持続可能な社会統合と成長を目指す方向で政策を進める必要がある」との指摘が出ている。