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2022/04/29

<在日社会>在日の美術家、孫雅由の世界を知る

  • 在日の美術家、孫雅由の世界を知る

    孫雅由《WS86-40》1986年

 在日の美術家、孫雅由(ソン・アユ)の作品を紹介する展示「特集 孫雅由の小宇宙が」、埼玉県さいたま市の埼玉県立近代美術館で30日から始まる。同館収蔵作品を中心に展示する「MOMASコレクション第1」展の一環だ。

実験的な手法で独自の表現試みる

 孫雅由(1949~2002年)は、関西を拠点に活動した美術家。哲学的な思索と実験的な手法を通して線と色彩の独自の表現を試み、版画、ドローイング、油彩画などを制作し、絵画の可能性を探求し続けた。

 埼玉県在住のコレクター、在日2世の河正雄氏が昨年、170点を越える孫の版画とドローイングを同館に寄贈した。孫の作品では小品だが、芸術観の源泉を理解する上で貴重な作例であるとともに、1970年代以降の現代美術における稀有な実践として捉えることのできる作品群だ。


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