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2003/06/06

<トピックス>故高円宮殿下が見た韓国 -第11回-

  • 高円宮妃殿下

                     高円宮妃殿下

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    梁山市でのバードウォッチングの時の写真。中央が高円宮殿下と妃殿下。日本では観察できないコウライウグイス㊤とダルマエナガ

◆ バードウォッチング ◆

 梁山市でのバードウォッチングの時の写真。中央が高円宮殿下と妃殿下。(写真:左上)

 日本では観察できないコウライウグイス(写真:右上)とダルマエナガ

 韓国を訪問するにあたり、韓国の自然環境やそこに生息する野生生物についてもっと知りたいと思い、バードウォッチングを含め森林の中を歩くチャンスと学者や研究家の方たちとゆっくり懇談する場を設けてもらいました。この写真は慶尚南道の梁山市にある法基水源地でバードウォッチングをしたときのものです。ほかにも水原市にあるソウル大学七宝山演習林でバードウォッチングをしました。今回はちょっと遠くて行かれなかった智異山にもいつの日か訪れて専門家の方々のお話を伺いながらゆっくりと観察させていただきたいと思っております。

 私たちのお目当ての鳥、この2種類だけは是非見てみたい、というのは、コウライウグイスとダルマエナガでした。両者とも日本では観察できないので、今回出会えてとても嬉しかったです。コウライウグイスは夏半島全域に渡ってくる鳥で鮮やかな黄色のからだと非常に美しい鳴き声で知られています。やはり、目立つからでしょう。古くから画や詩などの題材になっている鳥です。また、ダルマエナガは大変かわいく、バードウォッチャーの間では人気のある鳥です。宮様はコウライウグイスのまねをなさって、しばらく啼き合いも楽しまれました。

 鳥といえば、韓国には日本のような黒いカラスがいなくて、カササギが市街地や街路樹などでも繁殖しています。こちらでそれほど見ないので、街中でも上を向いてキョロキョロしてしまいました。

 韓国と日本は生態系が似ております。約2万年前には地続きであったといわれ、無数の生物が大陸から朝鮮半島を経て日本に渡ってきました。自然史研究の分野でも、例えばツキノワグマやクロツラヘラサギに関する野生生物と自然生態の保全の分野でも民間レベルでは十年以上密接な協力関係を続けてきました。このような民間団体の活動も多くの方に知っていただけるといい、と宮様はおっしゃっていました。(高円宮妃殿下・写真:下)