ここから本文です

2003/05/02

<トピックス>故高円宮殿下が見た韓国 -第8回-

  • 高円宮妃殿下

                     高円宮妃殿下

  • 030502.jpg

      律動的な天女の提灯(ソウル・三清閣)

  • 030502-1.JPG

     表情がとてもユーモラスな「地下女将軍」と書かれた長丞の提灯

◆ 三清閣の提灯 ◆

 表情がとてもユーモラスな「地下女将軍」と書かれた長丞の提灯(写真:左下)と律動的な天女の提灯(ソウル三清閣・写真:上)

 三清閣(サムチョンガク)に到着した時、小雨が降っていたので傘をさし(宮様はほとんど傘をお使いになることはなかったので、私だけですが)、館長の説明を聞きながら歩き出しました。15㍍くらい進んで左の建物、一和堂(イルファダン)の庭にさしかかった時です。宮様が急に足を止められたので、傘の下から覗いてみると、とても面白そうな情景が目の前に広がっていました。それは色とりどりの大きな提灯の展示でした。建物の入り口に地下女将軍と書かれた長丞(チャンスン、村の守り神)、前庭には天女や丹頂ズル、タコなどの様々な提灯が私たちの目を楽しませくれました。

 どの提灯も紙でつくったとは思えないほど豊かな量感があり、そのあでやかな色彩感覚は見事でした。私は特に山を背景に空を本当に飛んでいるような天女の姿に魅せられてしまいました。宮様は「すごい迫力だね」とおっしゃって、提灯を一つひとつ写真におさめていらっしゃいました。

 私たちは一和堂(イルファダン)の中に韓国のお茶を味わえるところがあると聞き、帰りにもう一度立ち寄り、たくさんある伝統茶の中から「十全大補茶(シンプチョンテボチャ)」というのをいただきました。「高麗人参、なつめ、甘草、白木(白木耳)、茯苓、当帰、川キュウ、熱地黄、芍薬、肉桂、黄耆」と「十」なのに十一種類の材料が入っているのはなぜでしょうね?

 いかにも体に良さそうなお味で、韓国の方々の健康に対するこだわりを垣間見たような気がいたします。(高円宮妃殿下・写真:右下)。