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2009/10/09

<トピックス>来年度予算・28の異色事業を発表

  • 来年度予算・28の異色事業を発表

              予算発表する尹増鉉・企画財政部長官

  • 来年度予算・28の異色事業を発表②

◆貧困脱出に希望を◆

 韓国政府は、291兆8000億ウォンの来年度予算案を確定、このうち3900億ウォンを28の異色事業へ投入すると発表した。どのような異色事業に予算が投入されるのだろうか。

 政府は今回の予算案で、貧困世帯の労働意欲を高め、庶民層の景気活性化のために斬新なアイデアを取り入れた異色事業を多く打ち出した。

 まず政府は、働く基礎生活保障受給者(最低生計費以下の所得者)の勤労所得が最低生計費(4人世帯基準=月133万ウォン)の70%(93万1000ウォン)以上なら、勤労所得から93万1000ウォンを差し引いた部分の2倍を、「希望育成通帳」に積み立てることにした。例えば、月110万ウォンの収入がある場合、93万1000ウォンを差し引いた16万9000ウォンの2倍(33万8000ウォン)を受け取ることができる。貧困から抜け出すことができない受給者にインセンティブを与えることで、積極的に仕事に取り組めるようにした。政府は約1万8000世帯に対し通帳を支給する計画で、保健福祉家族部に248億8700万ウォン規模の予算を割り当てる方針だ。また、こうした世帯の住宅改善補修工事にも414億8300万ウォンが割り当てられ、緊急工事などが必要な1万世帯に対し600万ウォンが支援される。

 低所得の共稼ぎの両親を持つ子どもを午後9時まで施設の放課後教室に対しても400億ウォンの予算が割り当てられる。約2000教室に対し、施設改善費用などとして2000万ウォンが支援される。

 視聴覚障害者の親を持つ子ども支援には12億600万ウォンが策定された。視聴覚障害者の両親を持つ満6才以下の子ども1500人を対象に、手話の個別レッスンなどが受けられるよう1人当り月16~22万ウォンを支援する。

◆小規模店の競争力育成◆

 価格やサービス面で体系的な運営情報を蓄積したり共同ブランドを作るなど、創意的で競争力ある自営活動をする小売り店舗を意味する「スマートショップ」の育成には、1110億ウォンの予算を編成した。大型スーパーの増加に対し、小型零細店舗の競争力を高めるのが目的。支援対象は、売り場面積が300平方㍍以下で、斬新なアイデアを持つ中小の小売店。

◆医療観光事業を育成◆

 政府は医療と観光を連係させ、高付加価値の新成長産業として育成するため、旅行会社や医療観光誘致企業などを対象に42億ウォンを支援する。仁川国際空港、済州国際空港、金海国際空港、韓国観光公社内に医療観光ワンストップサービスセンターを構築(11億ウォン)と、医療観光人材養成、海外広報・マーケティングなどにも31億ウォンを投じる。

 また、海外への販路を見出せずにいる有望中小企業の製品を海外サイトに登録する支援には15億ウォンを配分した。この他にも全国14カ所に雨水貯水施設を設置することで低地帯への浸水被害を防止する雨水の清掃・農業用水リサイクル支援に364億ウォンの予算を投じる。

◆ユニーク支援も◆

 来年10月京畿道・驪州に開所する民営刑務所の運営費10億8100万ウォンも予算に反映された。民営刑務所は韓国では初めて施行される事業で、民間が敷地を確保し、施設を建築後、国家から収容者の委託受け管理することになる。驪州の民営刑務所には、全国48カ所にある刑務所収容人員4万9000人の約0・6%にあたる約300人が収容される。政府は民間委託により、年間約5億7600万ウォンの節減効果を期待している。

 この他、練習環境が悪いとされるフェンシングなどのマイナー競技選手の育成に20億6000万ウォンの予算が策定された。支援対象種目はフェンシングのほか、ハンドボール、ボクシング、体操、ホッケー、射撃、自転車、レスリング、重量挙げ、カヌー、ヨット、氷上スキーなど15種目。また、約47万人いる軍人の誕生日に米粉を使った餅ケーキを支給するために47億200万ウォンの予算が配分された。隊員の誕生日の度に部隊員がケーキ購入費を負担した慣行を解消し、米消費の促進を目的としている。