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2009/06/26

<トピックス>南北チームの本選進出期待

  • 南北チームの本選進出期待①

          イラン戦で得点をあげた朴智星

  • 南北チームの本選進出期待②

    W杯出場を決めた北代表チーム

 サッカーW杯に南北同時出場が決まったことで、韓国内では両チームがどこまで戦えるかに関心が集まっている。

 韓国は2002年W杯で4強入りを果たし、全国民を熱狂させた。その大会で一躍名を挙げ、世界的選手に成長した朴智星選手(パク・チソン、マンチェスターユナイテッド)に、チームのまとめ役としての期待が高まっている。また選手の若返りを果たし、2002年当時よりも選手が大型化し、強力な2トップを養成するなど、2002年の再現を望む韓国民の声は強い。

 一方で、北チームにも関心が高まっている。

 1966年7月19日、北朝鮮はイングランドW杯4組の最終戦に臨み、世界最強といわれたイタリアを1対0で破り、世界を驚かせた。ポルトガルとの準々決勝で3対0でリードしたものの、その後、5ゴールを許して逆転負けしたが、北朝鮮チームの快進撃は、韓国、在日のスポーツ界にも大きな影響を与えた。

 その大会から44年ぶりの出場となる北朝鮮。戦術は強靭な体力に支えられた堅守だ。最小失点に抑え、速いスピードでカウンター攻撃を行う。この「先守備、後逆襲」の戦術は、66年の北朝鮮チームと酷似しているという。アジア最終予選8試合での失点は5だけだ。

 北と同組で2試合戦った許丁茂(ホ・ジョンム)韓国代表監督も「世界の一流チームとも戦える守備力」と評価している。FWは在日3世の鄭大世で、スピードあふれる攻撃を展開している。

 国際試合の経験不足と、レギュラーと控え選手の力の差を不安視する意見も多いが、「66年と同じダークホース的存在」であることは確かだ。

 韓国では、南北同時出場によって、韓民族の優秀さを世界に示したと言う声とともに、両チームがW杯で活躍することで、韓半島の緊張緩和の一助になればとの意見も多く出ている。在日社会でも、北代表入りした鄭大世、安英学(アン・ヨンハク)選手を応援するとともに、「スポーツでの活躍が平和へのメッセージにつながれば」と願う声が出ている。


◆W杯でゴールを 在日の安英学選手◆

 在日3世の北代表チームMFの安英学選手(30・水原)が23日、韓国で記者会見を行った。

 安選手は「W杯出場は幼い時からの夢だった。しかも韓国、北朝鮮が一緒に進出することになり、喜びが2倍になった。北が進出できたのは、国際大会の経験を積んだことが大きい。イラン戦で朴智星選手が得点をあげたことはとてもうれしかった。W杯ではスペイン、ブラジルなどの強豪と対戦したい。その試合でゴールを入れるのが夢だ。最善を尽くす」と語った。