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2012/02/10

<トピックス>韓国経済けん引・蔚山工業化50周年

  • 韓国経済けん引・蔚山工業化50周年

         「蔚山跳躍第2宣言文碑」除幕式

 慶尚南道地域の蔚山(ウルサン)が韓国初の国家産業地区に指定されて今年で50周年を迎える。50年前、東海岸の貧しい漁村にすぎなかった蔚山は今日、自動車、造船、石油化学のメッカとして韓国第一の産業都市に発展した。昨年には、全国の自治体の中で初めて輸出1000億㌦を突破した。蔚山市は、さらなる飛躍を期すべくクリーンエネルギー、二次電池、電気自動車など新産業の育成に乗り出した。

 蔚山工業化のシンボルである蔚山工業塔前で最近、「蔚山跳躍第2宣言文碑」除幕式が行われた。その碑には、「労働の価値を尊重し企業家精神を高揚して、蔚山を世界に聳え立つ環境に優しい産業都市にし、すべての市民がより多くの機会を持てる正義の文化都市を作る」と刻まれている。

 朴孟雨(パク・メンウ)市長は、市民ら1000人が集まった除幕式で「祖国近代化のメッカの役割を果たし、世界で最も貧しかったこの国を世界10位圏の経済大国にけん引した」と強調した。

 1962年2月3日、朴正熙(パク・チョンヒ)・国家最高会議議長(当時)は、蔚山産業センター起工式で「韓国政府は第1次経済開発5カ年計画を実践する上で、総合製鉄工場、肥料工場、製油工場、その他関連産業を建設するため、蔚山を工業地区に設定した」と宣言した。この宣言を合図に工業団地が造成され、工業化の歴史を創り出していく。

 蔚山は気候、給水、港湾などの立地条件が良く、経済界も立地を建議していた。当時、この地域の人口はわずか8万5000人の漁村だった。工場は三養社の工場一つのみで、魚肉や寒天などを輸出(26万㌦)しているに過ぎなかった。だが、国家産業地区に指定されてから投資投下が相次ぎ、インフラ整備、工業建設も相次いだ。68年に現代自動車蔚山工場、70年に東洋合繊工場、71年に蔚山石油化学コンプレックス、72年に現代蔚山造船所が建設され、今日の蔚山3大産業を形成した。関連部品工場も数多く建設され、人口114万人の「産業首都」に発展した。現在、蔚山は石油精製・化学工業と自動車、造船業で世界屈指の企業である現代自動車、現代重工業、SKエネルギー、Sオイルなどが工場を稼動中。

 昨年、蔚山地域の輸出額は前年比42・2%増の1015億㌦を記録したが、やはり3大産業のウエートが圧倒的で、石油製品309億㌦、石油化学製品148億㌦、自動車161億㌦、船舶164億㌦を記録した。

 蔚山は、工業生産で全国の13・6%を占め、経済レベルを示す一人当たり個人所得は1627万ウォンで、ソウルを抜き全国一だ。一昨年11月にはKTX(韓国高速鉄道)が蔚山駅に開通、ソウルとの距離を2時間10分に縮め、ソウル、釜山に次いで多いKTX利用駅となっている。

 蔚山工業化50周年を記念するシンポジウムで、クリーンエネルギー都市、先端物流都市、韓国最大の産学協力のメッカとして再跳躍を期すべきだとの提案が相次いだ。新産業創出など今後が期待される。


◆初の固有モデル「ポニー1」展示◆

 蔚山博物館は、1975年に現代自動車蔚山工場で生産した国産車の中の最初の固有モデル「ポニー1」を蔚山工業センター50周年記念特別展で展示中だ。輸出先のエクアドルを含む各地で探した結果、大田(テジョン)の某旧車マニアから5000万ウォンで購入したという。歴史的価値が高いと評価されている。