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2012/01/13

<トピックス>新時代ひらく交流・協力 第7回 韓日経済交流の新時代に向って                                HISOFT 奇 秉泰 会長

  • HISOFT 奇 秉泰 会長

    キ・ビョンテ 1933年、韓国仁川市生まれ、ソウル大学卒。経営学専攻。釜山銀行大阪事務所所長、大韓空調(韓日合弁企業)社長を経て現在、HISOFT会長、韓国貿易協会理事、韓日協力委員会運営委員、韓日経済協会会員、PHP研究所友の会国際交流会副会長

  • 私の日韓経済比較論 第12回 韓国と北朝鮮の経済格差

    韓日協力を話し合った韓日・日韓経済人会議

◆今年をアジア経済共同体出発点に◆

 韓国と日本は、21世紀の最初の10年間に多くの問題をともに抱えてきた。この10年間には、常識と想像を超える危機があった。米国での9・11テロ、昨年の東日本大震災および津波による福島原発の崩壊など、現代文明を代表する国で起きた危機と災難は我々に警告を発しているようにみえる。

 経済面で言えば、2008年に世界の資本主義の中心であるニューヨーク・ウォール街でグローバル金融危機開始。リーマン・ブラザーズ倒産で危機は本格化したが、G20を中心にした国際協力によって世界経済が破局に向かうのを防いだ。しかし、昨年に起きたギリシャなど欧州国家の政府負債危機は、現在も進行中だ。

 現在の危機は、1930年代の世界恐慌以降で最大の経済危機といえる。深刻な点は国際経済だけでなく、国際政治にも影響を及ぼしているということだ。

 グローバル金融危機においては、米国、欧州、日本などの先進国が影響力を弱める半面、中国やインドのような新興開発国が影響力を強化している。特に中国は昨年6月現在で3兆24億㌦という莫大な外貨のほか、1兆1600億㌦規模の米国政府債権を保有。最大の債務国である米国とは対照的で、最大の債権国である中国は世界で影響力を高めている。

 新興国が急浮上し、世界経済は多極体制に再編される変革の時期を迎えている。世界銀行の新興市場担当であるダイラミ氏によると、2025年までに中国、インド、ブラジル、ロシア、インドネシア、韓国の6カ国が世界の経済成長の半分を牽引するという。昨年12月、済州のグローバル国際フォーラムに参加した同氏が述べたとおり、世界経済に占めるアジア比率は高まっている。

 一方、世界各国は独自に生存できないことから、国際協業の重要さを認識しなければならない。協業は効率的で、互いの利益につながるものだ。それぞれの企業や国家が技術を開発した後、これを一つに統合することが競争力の源となる。

 実際に、韓国と日本の企業はパートナーとして技術協力や協同投資を行い、第3国へ進出することが増えている。最近の事例には、サムスンエンジニアリングと三井化学がインド高密度ポリエチレン製造工場を2億3000万㌦で受注したこと、韓国電力と住友商事の中東アブダビ発電所(総事業費およそ15億㌦規模)共同参加がある。三菱商事と韓国ガス公社がインドネシアLNG生産吉事業権を共同で獲得し、大宇建設と三井物産が共同でモロッコ石炭火力発電所の建設を受注するなど、第3国への共同進出は大きな成果をあげている。

 日本は良い製品を作り、韓国はよく売れる製品を作る、という話がある。互いに協力すれば、世界市場の価格交渉で有利になる。アジアで自由民主主義と市場経済の価値観を共有する両国は、いつも以上に協力が必要な時期に来ている。

 世界では地域ごとに経済協力を強化し、日本もTPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加の意思を表明している。

 韓国はASEAN(東南アジア諸国連合)、EU(欧州連合)、米国とFTA(自由貿易協定)を締結しており、日本はシンガポールなど12カ国・地域とEPA(経済連携協定)を結んでいる。

 最も重要なパートナーである韓国と日本の二カ国間FTAについては、03年に交渉を開始。両国のトップは幾度となく必要性を強調したが、交渉は04年11月以降に中断した状態だ。

 韓日FTA交渉妥結によって両国が一つの経済圏を作るようになれば、市場が拡大し、両国の企業の経済活動は活発化する。両国は統合された市場で競争しながら生産性を高め、技術発展を促進させるだろう。

 1945年の第2次世界大戦後に独立した140近くある非西洋国家のうち、韓国は民主政治、市民権利、言論の自由、一人当たり国民所得2万㌦を成し遂げた唯一の国だ。日本は和魂洋才で近代化に成功した最初の非西洋先進国であり、議会民主主義を受け入れて定着させた国だ。

 両国の異見は、いくらでも有り得る。価値の差異によって出る異見で合意点を見出すことは、容易でないこともある。「同意していないが、同意する(Agree to disagree)」という言葉があるが、意見の多様性を認めて尊重しつつ、両国の成熟した国民意識で克服できると信じたい。

 2012年が韓日経済協力の新たな出発点となり、アジア経済共同体に向かう一年であることを期待している。