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2012/04/13

<トピックス>大型スーパー営業規制で論争

  • 大型スーパー営業規制で論争

      規制による定期休業を知らせる大型スーパー

 韓国で大型スーパーの営業規制をめぐって、論争が起こっている。国会は昨年末、中小商店保護を目的にマートと呼ばれる大型量販店と財閥系が中心の企業型スーパー(SSM)の営業規制を自治体に認める法改正を行った。これを受け、全国に先駆けて全州市(全羅北道)が3月から営業規制を実施、今月8日からはソウル江東区など全国20の自治体でも営業規制に踏み切った。流通業界はこれに猛反発、訴訟を提起する騒ぎにまで発展している。

 財閥系の量販店やスーパーの出店競争は、数年前から全国的に過熱化し、中小商店街から悲鳴があがっていた。

 国会での法改正は、このような窮状打開のためだった。自治体は条例改正で営業規制を義務化できる裁量権を得ることになった。全州市議会は、大型スーパーに毎月第2、第4日曜日の休業を義務づける条例を可決。3月から全国の自治体で初めて休業を義務づけた。

 革新市政のソウル市の動向に関心が集まっていたが、ソウル市は大型マート、企業型スーパーの義務休業案を25自治区に勧告。これを受け、25自治区は義務休業日を毎月第2・第4日曜日に統一して施行することに合意した。路地商圏保護のためにはソウル市内全域で毎月同じ日に一斉に店を閉めることが効果的という判断で休業日を統一した。5月から本格的に実施する予定だ。

 ソウル市以外でも同様の措置がとられた。8日から休業措置を実施に移したのは、ソウルの市江東区、城北区、仁川市の南区、富平区、大邱市の達西区、寿城区、京畿道の城南市、水原市、富川市、光明市、慶尚南道の晋州市、昌原市など全国20の自治体にのぼる。

 全国の企業型スーパー約230店舗が休業した同日、消費者は買い物を別の日にずらしたり他店を利用するなどし、大きな混乱はなかった。大型量販店(3000平方㍍以上)の休業義務付けは22日から本格化する。

 このような営業規制に踏み切ったのは、日本の教訓もある。これまで日本では「大型店が出店する際には、地元業者と事前に調整する」とした大規模小売店舗法(大店法)で出店を調整していた。しかし、外資系流通業が相次いで日本に上陸するなか、世界基準に沿った出店の仕組みづくりが求められた。そして、1990年の日米構造協議により大型店の出店調整期間の上限が1年半に設定され、4年後の94 年には1000平方㍍未満の出店が原則自由になる。00年に大店法自体が廃止され、規制がなくなった。大店法廃止で駅前商店街がシャッター通りになったともいわれる。

 だが、韓国の今回の措置をめぐっては、類似の流通業者間の公平性をめぐり論争が起こるなど、業界の反発は高まる一方だ。

 イーマートなど大手流通業者29社の団体「韓国チェーンストア協会」は、義務休業日や深夜の営業制限規定を盛り込んだ地方自治体条例の無効化を求め、ソウル市の江東区と松坡区や水原市など5自治体を相手取り行政訴訟を起こした。また、条例に対する効力停止仮処分も申請した。同協会は、営業を制限する自治体条例の根拠となる「流通産業発展法」は違憲だとし、憲法訴願審判も請求している。

 協会側は、「同法と自治体の条例が顧客の流通店舗選択権を侵害しているだけでなく、多くの流通業者のうち大型量販店と企業型スーパーだけを規制し、平等権も侵害している」と主張している。営業制限を受けないコンビニやデパート、専門店、インターネット通販、個人経営の中大型スーパーなどが有利になるというわけだ。

 また、「日曜日の売上げが月平均売上げの20%を占める大型マートだ。月に2度休めば 数字的には10%の売上げダウンとなる。SSMも同様だ。売上げダウンは必然的に人材削減と施設縮小につながる。結局、営業規制はマート売り場を借りて商売する零細商人にも被害を及ばす」との指摘もある。

 今後、条例改正を準備する自治体が追随する可能性もあり、成り行きが注目される。