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2012/06/15

<トピックス>インタビュー ・ 韓日相互利益の仕組みを                                             ~駐日韓国企業連合会 柳 誠 新会長(ポスコジャパン社長)~

  • インタビュー ・ 韓日相互利益の仕組みを 

    ユ・ソン 1957年光州生まれ。86年高麗大学校土木工学科卒。ポスコ(旧浦項総合製鉄)入社。2005年3月ポスコジャパン経営企画部長、07年11月ポスコKPC代表取締役社長などを経て、10年2月からポスコ常務、ポスコジャパン代表取締役社長。12年3月から在日韓国企業連合会会長。

 第15代駐日韓国企業連合会(韓企連)会長に柳誠・ポスコジャパン社長が就任した。韓国企業は世界市場で存在感を高めており、日本でも活動を強化している。柳会長に韓企連の役割などを聞いた。

 ――新会長としての抱負を。

 韓企連は1993年に設立され、来年20周年を迎える。日本の韓企連は他国にあるこうした団体の中で最も活動的だと韓国政府から評価されている。歴代会長が献身的な努力によって築き上げられた成果を更に発展させていかなければならないと考えている。

 韓企連設立の目的でもある韓日相互交流関係を深め、盛んにしていくことで、ビジネスも活性化ができる。そして、日本のさまざまな関連団体との交流関係を深めるだけでなく、韓日経済協力の中心的な役割を果たしていきたい。さらに、昨年の東日本大震災で日本は甚大な被害を被ったが、隣国の企業として両国は助け合えるということを示さなければと思っている。

 最近では韓流がブームということもあり、韓国と日本の関係は経済も含め、昔に比べてどんどん良くなっている。それだけに今までに比べ、もっとWIN―WINの関係を築けるように継続して努力しなければならない。特に経済人は、過去のことよりも未来志向的であることが大事だと考えている。こうした友好的な雰囲気をもって、日本との協力関係作りに努めていきたい。

 ――韓企連の今年の重点事業は。

 重点的に考えているのが、まず韓企連会員間のネットワーク拡大。その一環として、昨年から始めたのが、駐日韓国企業CEO朝食会。日本企業の著名人や学者を招待し、勉強会を開催している。毎回100社くらいが出席し、韓企連会員企業の約3分の1が参加するなど関心が高い。駐日韓国企業のCEOがいま何を一番知りたいのかを考えながら、今後もっと増やしていきたい。韓国ではこうした勉強会が活発で、日本にいる各社のCEOは日本でも是非学びたいという意欲が強く、そうした意欲をサポートしていきたい。

 また、人材ネットワークの拡大を推進する。韓企連のホームページで求人・求職サイトを運営しているが、これまでは韓企連会員企業で働きたいという韓国人留学生の利用が多かった。しかし、駐日韓国企業は日本で活動している以上、日本人の社員をもっと採用し、現地化しなければならない。また、逆に韓国人留学生を採用したいと考えている日本企業の利用も促進したい。

 もう一つは、駐日韓国企業に勤める優秀な日本人社員による韓国経済視察団の派遣。今年は、ポスコがある浦項(ポハン)や現代自動車がある蔚山(ウルサン)など南部地方への派遣を予定している。直接訪れることで韓国の企業文化を学べる機会を提供している。

 ――韓企連の役割をどうお考えですか。

 まず、一つに日本に進出している韓国の経済人の協力関係を強化し、ビジネスにおける諸条件を改善していくこと。そして、韓日両国間の貿易不均衡の改善。これをしなければ両国のシナジー関係は得られない。韓国製品をもっと買ってもらえるよう努めている。

 昨年の東日本大震災のような災害時に、いかに組織的に動けるかということも重要なテーマだ。日本に根ざすという意味でも、経済界を含め日本の役に立つ役割を果たさなければならないと考えている。韓企連だけでは無理にしても、日本企業の社会貢献の活動のあり方を変えるようなことも発信していかなければと思っている。

 ――韓日経済交流のあり方について。

 やはり両国経済界の最大の関心事は韓日FTA(自由貿易協定)/EPA(経済連携協定)だろう。周知の通り、2003年に交渉を開始したが、いまだに中断したままだ。両国は産業構造が似ており、競争心も高い。このことが障害要因ともなっているが、一方では自由民主主義・資本主義など体制や基盤が同じ国同士なのでFTA締結ができないわけがない。

 先般、大阪で開催された日韓経済人会議で、FTA早期締結を政府に強く促す共同声明を採択した。当然ながら両国にはFTAによって利益がでる部分もあり、そうでない部分もある。だが、それを認めつつ、より大局的な視点で両国の利益が得られるような仕組み作りを進めてほしいと思う。

 韓企連としても、できることがあれば、支援していきたい。基本的な姿勢として、もう少し互いを尊重しながらやるべきではないか。これまでのように、相手に一方的にお願いする、求めるというのではなく、パートナーシップという精神でやっていくことが大切だと思う。