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2013/02/08

<トピックス>フランチャイズ型ベーカリー・新規出店を規制

  • フランチャイズ型ベーカリー・新規出店を規制

    大型ベーカリー店

 協力成長委員会は5日、第21回本会議を開き、製菓店業と飲食店業などサービス業14業種と製造業2業種の計16業種を中小企業適合業種に選定し、関連業界にその旨勧告した。これらの業種は今後、店舗拡大などが制限される。零細自営業者を保護するため、大企業の参入の垣根を高くした措置だが、規制される側からは反発の声も聞かれる。特にフランチャイズ型ベーカリー業界は強く反発、法廷闘争も辞さない構えだ。何が問題になっているのか探ってみた。

 今回の勧告により、街中のパン屋から500㍍以内で大企業が経営するフランチャイズ型ベーカリーは出店できない。また、出店自体も前年末店舗数の2%以内しか増やせなくなる。制限期間は3月1日から2016年2月末までの3年間。

 また、飲食店業に対しても昨年3月1日を基準に大企業の新規参入と店舗拡張の自制を求めている。期間は4月1日から3年間。

 パン屋や外食業での大企業とは、常時労働者数が200人以上で、売上高が200億ウォン超を意味する。この2業種は、中小企業適合業種の選定をめぐり論議を呼び起こし、業界間の合意をとりつけることができないまま、選定を強行した。

 協力成長委の勧告は法的強制力はないが、勧告に従わない企業に対しては中小企業庁に是正を申し入れることができる。その後同庁の決定により法的効力が発生する。従って、これまでこれを拒否した例はない。だが、今回は様相が違っており、SPCグループが運営する「パリバゲット」とCJフードビルの「トゥレジュール」の2大ベーカリーが最も強く反発。SPCは「加盟店主の権益を深刻に侵害する措置で、現実的に実行し難い」と事実上勧告を拒否した。

 パリバケットの店舗数は09年の2222店から昨年には3190店に急成長。トゥレジュールも1280店舗を数えるが、強く反発するには理由がある。現在、全国で街中のパン屋は1万店に達し、勧告に従えば事実上、出店ができなくなるからだ。パリバケット関係者は「1年間に閉店・移転する店舗数は100店前後に達する。勧告に従えば、店舗は減る一方だ」と語る。

 大手外食チェーンは、韓国料理や中華料理、和食、洋食、その他の外国食、おやつや海苔巻き、その他の飲食店の7つの業種で店舗を新たに開くことができなくなる。複合多重施設や駅周辺、新都市、3000戸以上のマンションが新たに建設されるなどの新商圏は、例外を認めた。

 今回の選定について、大韓製菓業界は「フランチャイズパン屋の出店の据え置きを希望したが、今回の結果に満足している」と評価している。だが、韓国フランチャイズ協会は「会員の95%が中小企業だ。中小企業を生かすどころか、死なす行為だ」と強く反発、提訴を検討している。

 また、街中のパン屋や飲食店としてスタートした中堅企業も制裁対象に含まれているため、「資産規模5兆ウォン以上の相互出資制限企業集団と中堅企業とを同じ物差しで計るのは過ちだ」と批判した。

 一方、スターバックスやコーヒービンなどの「パンも売るコーヒーショップ」や「スパゲティも売るコーヒーショップ」は恩恵を受けることになった。コーヒー専門店は、中小企業適合業種から除外されたからだ。

 中小企業固有業種を選定して大企業の浸透を防ぐことは必要だが、「自営業者が苦戦するのは、構造的な側面が大きい。リストラなどで職を失った人たちがパン屋や飲食店などのサービス業の創業に大挙乗り出し、過当競争を繰り広げている。韓国の経済活動人口の中で自営業の比率は28・8%を占める。OECD(経済協力開発機構)平均の約2倍だ。大企業系列のフランチャイズが急成長したのも、このような背景からはじまった。政府レベルで福祉、余暇、環境など需要が増えている分野に新たに職場を作り出し、限界に瀕した自営業者の転業や転職を支援する教育訓練と構造調整が並行しなければならない」という指摘にも応える必要がありそうだ。