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2013/03/08

<トピックス>龍山開発事業・コレイルが追加増資を決定

  • 龍山開発事業・コレイルが追加増資を決定①

    ソウルの光化門ビル1階に展示された龍山国際業務地区の開発模型

  • 龍山開発事業・コレイルが追加増資を決定②

 資金難の龍山開発事業が新局面を迎えた。韓国鉄道公社(コレイル)が4兆ウォン台の追加増資によって資本金を計5兆ウォンに拡充し、4160億ウォン規模の緊急資金を投入すると決定したためだ。2大株主のコレイル、ロッテ観光開発の経営権争いは6カ月間続いたが、ロッテ観光開発側は全株式を譲渡すると表明した。

 龍山開発施行会社ドリームハブPFVはこのほど理事会を開き、コレイルが提案した資本金4兆ウォン増額案およびランドマークビルの2次契約金4161億ウォン納付の案件を満場一致で通過させた。コレイルが緊急資金4161億ウォンを納めれば、龍山開発事業は目先に迫った不渡り危機を脱せられる見通しだ。主要株主が資金調達案に合意したことで、事業の正常化の端緒をつかんだ。

 しかし、コレイルの資本金拡充は、民間企業からの1兆4000億ウォン追加出資を前提としているからだ。龍山国際業務地区内の111階建てランドマークビルの施工権を取得したサムスン物産を除いては、追加出資の余力を持つ民間企業がないとみられている。

 サムスン物産関係者は「現在ドリームハブの株主が30余社に達するが、我々の持ち分は6・4%に過ぎない。増資の際に持ち分相当の参加は考慮できるが、1兆4000億ウォンを丸ごと引き受ける意向は無い」としている。

 今回の増資案は、ロッテ観光開発の緊急発表によって通過した。ロッテ観光開発はサムスン物産から買い取った龍山駅開発の株式45・1%を放棄し、コレイルに経営権を全て譲渡することを発表した。ロッテ観光開発の金基炳・会長は「82兆ウォン規模の経済効果が期待される龍山国際業務地区の成功ために、コレイルによる経営権譲渡の提案を受容する」と述べた。

 龍山開発事業は、「公営開発」方式に変わる可能性が高まった。コレイルが提示した公営開発の核心とは、サムスン物産など資金力がある外部投資家の導入によって財務構造を安定化し、商業・業務・住居施設などを現行の一括分譲方式でなく段階分譲に切り替えるというものだ。

 不動産景気低迷のため未分譲のリスクを最小化し、事業の実権も握る意図とされている。

 ロッテ観光開発が持つ龍山駅開発の株式45・1%をコレイルがこれを買い取れば、コレイルは事業主幹事の役割を果たすことになる。

 しかし、実質的な事業施行会社とされるドリームハブPFVの株式は、相変らず25%に過ぎない。公営開発にするためには、施行会社のドリームハブも掌握しなければならない。これは、サムスン物産が1兆4000億ウォン追加出資に同意するのかに懸かっている。

 政界では、政府の直接介入によって事業の正常化を要求する声が挙がっている。

 セヌリ党の朴商銀議員は、「龍山開発の遅延は民間投資家、コレイル、ソウル市そして政府が総体的に作り出したものだ。霧散すれば大きな影響が出るだけに、政府が直接調整に出るべき」と強調した。

 鄭然柱・サムスン物産副会長は5日、単独で1兆4000億ウォン(約1200億円)の増資に応じる考えはないことを明らかにした。