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2015/10/16

<トピックス>明治期外交官・若松兎三郎と韓国:共生のための苦悩 第17回                                   大東文化大学 永野 慎一郎 名誉教授

◆韓国に天日塩製造方法を導入し近代的な塩産業の発展に貢献◆

 人間の食生活には塩は必要不可欠である。特に、朝鮮の食文化には大量の塩分を使用する特徴がある。食生活の発達と共に塩蔵魚、塩、味噌、キムチなど塩製品の需要増大によって塩生産の問題は重要課題であった。

 古くから朝鮮半島では沿岸各地において煎熬塩(せんごうえん)を製造した。煎熬塩は海水から塩を採取するために濃厚な塩水を釜に入れ煮つめて水分を蒸発させ、塩分を結晶させる方法で製塩する。伝統的な製塩方式である。この製造法では煎熬のために資金、燃料、労働力を多く必要とするので、大量生産が困難で、経済性が低い。


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