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2015/04/17

<トピックス>私の日韓経済比較論 第51回 韓国経済はデフレに陥るか                                                    大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 大東文化大学 高安 雄一 教授

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、00年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授。

  • 私の日韓経済比較論 第51回 韓国経済はデフレに陥るか

    昨夏以降、国際原油価格が急落している

◆需要面での物価下落の圧力低く、デフレの可能性は小さい◆

 韓国経済と言えばインフレのイメージが色濃い。

 朝鮮戦争後の大インフレは仕方がないとしても、消費者物価上昇率は、現在と接続できる数値を得ることができる1965年から1982年まで、二ケタの数値が続いた(この18年間の平均値は14・9%)。

 その後、全斗煥大統領(当時)による安定化策により、物価上昇率は一ケタにおさまるようになったが、1990年代の平均値も5・7%と決して低い水準ではなかった。

 韓国ではアジア通貨危機以降、インフレターゲット制が導入されたが、直近では2011年に、6カ月にわたり、物価上昇率が当時の上限であった4%を超えた。

 その際、公共料金の引き上げ凍結を行うことで物価上昇を抑えるなど、政府のなりふり構わぬ政策に驚かされたことは記憶に新しい。


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