ここから本文です

2016/02/19

<トピックス>明治期外交官・若松兎三郎と韓国:共生のための苦悩 第22回                                   大東文化大学 永野 慎一郎 名誉教授

◆韓国人労働者らのストライキで居留地の商業活動、停止状態に◆

 度重なるストライキによって居留地の商業活動は停止状態となった。11月19日、日本人居留地会は緊急居留地会を開き、対応策を協議した。興奮した日本商人たちは事件解決のためには強硬態度で臨むべきであるとして、解決委員として20名を選定し、商業会議所理事と共に当局者と歩調を合わせ、対策を講じることを決議した。

 解決委員たちは早速行動に移した。各商店が所有している韓国商人発行の手形および期限が過ぎた債権証書を集め、仲仕を部署別に分けて韓国人部落に送り、債権を徴収させた。居留地に出入りしている韓国人商人の中に日本人に債務がない人はほとんどいないのが実情であった。このような方法では、韓国人部落が混乱するのは明らかであった。それを承知の上で、圧迫による手段を選択した。


つづきは本紙へ