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2017/04/28

<トピックス>私の日韓経済比較論 第70回 悪化する韓中関係                                                   大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 大東文化大学 高安 雄一 教授

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、00年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授。

◆中国は政治と経済分け、大人の対応を◆

 韓国は16年7月に終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の配置を決定し公表したが、これを機に韓中関係が悪化している。中国政府はこれを受けて、韓国に不利益を及ぼす様々な経済措置を講じている。17年3月20日のWeekly KDB Reportは、中国の措置をまとめている。

 これによれば、16年10月には韓国行き団体観光客20%縮減指示や韓国産砂糖に対する政府ガードのための調査着手、11月には中国内のロッテマートに対する税務調査および安全点検実施や韓国産化粧品輸入の不許可措置、12月には韓国産バッテリーを装着した車両を補助金支給対象から除外などである。そして、17年3月には中国内のロッテマートの一部店舗に対する営業停止措置まで行った。

 いうまでもなく金額ベースで中国は韓国の最大の輸出相手先であり、韓国で生産された付加価値の最大の需要地でもある。つまり韓国経済は今や米国より中国への依存が強い。よって数々の経済面の嫌がらせともいえる措置を勘案すると韓国経済に与える影響がさぞ大きいようにも見える。

 しかし、皮肉にも韓国経済は中国要因により景気回復の動きが強まりつつある。韓国の輸出額は、15年は8・0%減、16年は5・9%減と振るわなかった。なかでも、中国については15年2月より減少基調となり、15年1月から16年5月まで2桁のマイナスが続くなど、不振を極めていた。これは、中国の景気が15年以降本格的に後退を始めたからである。

 しかし中国政府は、15年10月に小型乗用車減税を行い、さらには16年に入り大型なインフラ投資を行うことで景気の下支えを行い、これら政策効果によって景気は回復に転じ現在もその勢いが続いている。

 標準的な経済学の教科書で説明されている理論にもとづくならば、中国の生産が増加、すなわち景気が回復した場合、あるいは、対元でウォン安になる場合に中国への輸出が増える。

 まさに教科書で説明されている理論通り、中国の景気回復を受け、17年に入り中国向け輸出は2桁増が続いている。そして、米国向け輸出がいまひとつ伸び悩む中、全体の輸出額も2桁の増加を記録している。

 さらには、韓国経済は輸出依存度が高く、中国向け輸出回復を背景に、韓国の景気回復に向けた足取りが強まっている。


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