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2017/03/24

<トピックス>暮らしの「質的成長」が重要

  • 暮らしの「質的成長」が重要

    生活の「質の向上」が重要だ

 「GDP(国内総生産)増加=経済発展」とする「GDP至上主義」が揺らぎ始めたのは、2009年からだ。01年のノーベル経済学賞の受賞者であるスティグリッツ・米コロンビア大学教授が「量的、物質的成長に埋もれたGDP神話から抜け出すべきだ」と主張後、論争が本格化。人々は「GDPは継続的に増加し、経済は成長したという。しかし、なぜ私の暮らしは良くならないのか」と不満を表出した。「質的成長」の重要性が浮き彫りとなり、「GDP補完」は統計専門家の共通課題となった。

 統計庁は学界と協力し、2012年から暮らしの質の測定指標作りを始めた。指標は所得・消費、雇用・賃金、社会福祉、住居、健康、市民参加、安全、環境など12領域80項目に達した。

 統計庁は、5年間の研究結果を盛り込んだ「国民の暮らしの質の総合指数」を発表した。

 統計庁の集計結果によると、2015年基準の暮らしの質の総合指数は111・8で、基準年度の06年(100)に比べ11・8%上昇。同期間、1人当たりGDP(実質基準)は28・6%増えた。暮らしの質の改善幅は、経済成長の半分にも及ばなかった。

 12領域のうち、大きな改善をみせたのは教育(23・9%)、安全(22・2%)、所得・消費(16・5%)だ。しかし、家族・共同体(マイナス1・4%)、雇用・賃金(3・2%)、住居(5・2%)、健康(7・2%)などは低かった。

 目を引いたのは、▽所得・消費指標と雇用・賃金指標が相反する点▽「世越号」沈没事故や公教育の崩壊などにもかかわらず安全・教育指標が大幅に上昇した点などだ。

 統計庁は「所得・消費は世帯基準であり、GDP増加の影響を多く受ける。勤労時間などの雇用・賃金指標は『個人』中心の主観的指標であるため、否定的数値が出た」とし、安全と教育指標上昇に関しては「道路死亡率、高等教育の履修率などの客観的指標が改善したため」と説明した。

 「GDP増加率」と「暮らしの質の改善」の乖離は、韓国だけではない。統計庁が韓国の暮らしの質の総合指数を開発する際にベンチマーキングしたカナダも、事情は似ている。

 カナダの1人当たりGDPは06~15年に8・8%増加し、暮らしの質の総合指数は3・9%上昇。総合指数の上昇率はGDP増加率の44・3%水準で、韓国(41・3%)と大差はない。

 今回の統計庁の発表により、「イースタリン・パラドックス(イースタリンの逆説)」が韓国でも証明されたという声が出ている。

 イースタリン・パラドックスとは、


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