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2018/02/02

<トピックス>私の日韓経済比較論 第76回 GDP成長率                                                  大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 大東文化大学 高安 雄一 教授

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、00年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授。

◆昨年は3・1%、今年も成長維持を◆

 1月25日に2017年のGDP成長率が公表された。数値は3・1%で3年ぶりに3%を超えることができた。日本の感覚からすれば、3%は逆に成長しすぎでインフレが懸念されるのではと考えてしまうが、韓国はまだ潜在成長率が3%を超えており、理想の経済成長率に近いと考えてよい。

 今回、成長の立役者のひとつは設備投資である。設備投資は規模こそ小さいが景気によってマイナスから二けた増まで大きく変動するので、成長率に大きな影響を与えうる。韓国のGDP需要項目の区分は日本と少し異なり、設備投資の一部が建設投資に含まれる。日本の設備投資には、機械設備、住宅以外の建物・建築物などが含まれる。しかし韓国の設備投資には住宅以外の建物・建築物は含まれない。韓国には日本にはない建設投資という需要項目が別途設けられている。韓国では建設投資に、日本では設備投資に入る住宅以外の建物・建築物が計上され、さらには、日本にはあるが韓国にはない需要項目である民間住宅、公的固定資本形成がここに入っている。

 本題に戻すと、韓国の設備投資は日本より範囲が狭い概念であり、2017年のGDPに占める割合は10・1%に過ぎない。しかし2017年は設備投資が前年の2・3%のマイナスから14・6%増と、足を引っ張る存在から成長の推進力となった。GDPに占める割合が小さいので寄与は1・2%であるが、2017年の成長率の4割弱は設備投資により説明されるなど、高成長の立役者と位置づけてよいだろう。

 建設投資は先に記したように、日本の民間住宅、設備投資の建物・建築部分、公的固定資本形成が合わさった概念であり、官民需問わず建物・建築はここに入る。2017年のGDPに占める割合は16・2%であり設備投資より規模が大きい。また建設投資も比較的大きく変動する。企業部門だけでなく、政府部門や家計部門も需要主体であるため設備投資ほどではないが、民間最終消費支出と比較すれば変動の幅は大きい。2017年は7・5%増であり、寄与は設備投資と同じく1・2%となった。

 民間最終消費支出はGDPに占める割合は高いものの、景気変動ほど所得が変化しないことに加え、消費には慣性があり所得以上に変動が小さくなる傾向にある。2017年は2・6%増であり寄与は1・2%となった。

 輸出は2・0%増である。ただし


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