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2018/03/30

<トピックス>私の日韓経済比較論 第78回 韓米FTA再交渉                                                  大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 私の日韓経済比較論 第78回 韓米FTA再交渉

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、00年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授。

◆米車輸入で譲歩、鉄鋼も鋼管類で輸出制限◆

 韓国政府は26日、韓米FTAの再交渉が原則合意したことを公表した。政府の産業通商資源部の報道資料によれば、韓国はアメリカに対し自動車に関して大きく2つの点で譲歩をした。

 第一に、貨物自動車(ピックアップトラック)の関税撤廃期間に関する譲歩である。2012年に発効した韓米FTAでは、貨物自動車の元々の関税率である25%を、8年目(2019年3月)、9年目(2020年3月)、10年目(2021年3月)の合計3回、同じ幅で引き下げ、2021年の引き下げでは関税を撤廃することで合意した。しかしながら、今回の交渉では、10年目の関税撤廃が20年延長、すなわち2041年まで延長されることとなった。

 ピックアップトラックは、現在のところ韓国からアメリカへ輸出するメーカーがない状況であるが、関税撤廃を見据えて輸出を検討していた韓国メーカーは、関税撤廃時期が20年間先延ばしされたことで、戦略の変更を迫られる可能性がある。

 第二に安全基準に関する譲歩である。現行の韓米FTAでは、販売台数が2万5000台以内(前年に韓国内で販売された台数基準)である自動車メーカーが生産し、アメリカから韓国に輸入された自動車については、韓国の安全基準を満たさなくてもよいことが定められている。このような自動車は、アメリカの安全基準さえ満たしていれば、韓国の安全基準も満たしているとみなされるわけである。

 今回の再交渉では、アメリカの安全基準を満たすことをもって韓国の安全基準を満たしたとみなされる自動車メーカーが、前年の韓国での販売実績で2万5000台以下から5万台以下へと拡大されることで合意がなされた。

 ただし、2017年の実績を見ると、韓国に1万台以上販売したアメリカの自動車メーカーはなく、アメリカで生産された第三国メーカーの韓国での販売実績も2万5000台に遠く及ばない。よって、アメリカ産自動車が突如として韓国で大ブームにならない限り、この数量拡大の影響は当面の間はないと考えてよさそうである。

 韓国政府は、韓国が譲歩を勝ち得た点として、国家と投資家間の紛争解決(ISDS)手続きや貿易規制分野でFTAの協定文を改正することで韓国の関心事項が反映されることを挙げているが、あまり具体的とは言えないものである。

 また韓国政府は、農畜産市場の追加開放などを避けることができたと成果を強調しているが、そもそも、韓米FTAの再交渉において農畜産物は主要な論点でなく、アメリカ側は工業製品に焦点を当てて譲歩を迫ってきていた。よって今回の再交渉妥結の結果をみる限り、韓国に分が悪そうである。

 なお、


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