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2018/06/29

<トピックス>私の日韓経済比較論 第80回 為替と株価注視を                                                  大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 大東文化大学 高安 雄一 教授

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、00年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授。

◆米国発の貿易戦争、長期化を懸念◆

 6月に入って金融市場の関連指標に気になる動きが出ている。まずウォン・ドルレートである。直近5年間のウォン・ドルレートを見ると、1㌦1000㌆から1200㌆の幅で騰落を繰り返している。そして2016年末から17年初に1200㌆を若干超えるウォン安になって以降、ウォン高に転じ、17年11月下旬以降は1㌦1000㌆台にまでウォンの価値が上昇した。そして18年に入ってウォンはしばらく横ばいの状態であったが、6月中旬からはドルが僅かずつではあるが継続して下落するようになり、6月25日には1㌦=1117・2㌆となった。

 このレートは過去と比較すれば特段ウォン安とは言えるものではないが、継続してウォン安が進んでいることが気になる動きである。

 次に株価である。KOSPIは、16年末から目立って高まるようになり、18年1月の平均値は2500を超えた。その後、上昇は一服したが、6月半ばに入ってから緩やかではあるが下落が続くようになり、6月25日には2358となった。KOSPIは、16年末までは1900~2100の間を長い間うろうろしており、最近の値が特に低いわけではないが、じりじりと株安が進んでいることも気になる。

 これら為替レートや株価の動きはまだ小さな動きの範囲内に入っているといえるが、その背景にはアメリカ発の貿易紛争があると考えられており、場合によっては大きな動きになる危険性をはらんでいることから注視が必要である。

 アメリカは3月23日に中国や日本などの鉄鋼やアルミニウムに関税を発動し、4月2日には中国が報復関税を発動した。また6月1日にはアメリカは、EU、カナダ、メキシコの鉄鋼とアルミニウムに関税を発動し、それぞれアメリカに対して報復関税を発動した。

 そしてその間、アメリカと中国の間では制裁関税品目、報復関税品目をそれぞれ公表するなど紛争がエスカレートしている。

 この動きに敏感に反応しているのが韓国の為替と株価である。韓国は現在のところ貿易紛争に直接的には巻き込まれていないが、無関係でいられるわけではない。韓国経済の対外依存度は高く、世界の景気動向に景気が左右される。特に、中国の影響力は近年大幅に高まっている。16年までは、アメリカ経済は良かったが、韓国の景気回復に力強さが欠けていた。これは中国経済の調子がいまひとつであったためで、17年以降、中国の景気が回復するとともに、韓国経済の動きが力強くなった。

 韓国の景気は、


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