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2019/04/26

<トピックス>私の日韓経済比較論 第88回 韓国銀行の経済見通し                                                  大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 大東文化大学 高安 雄一 教授

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、00年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授。

◆本格的な景気後退局面の恐れも◆

 18日に韓国銀行より2019年の経済見通しの修正版が公表された。

 経済見通しは1月24日に公表されていたがGDP成長率の見通しが2・6%から2・5%へ下方修正された。需要項目別の内訳を見ると、個人消費の伸び率は2・6%から2・5%へと小幅であるが、輸出は3・1%から2・7%、設備投資については2・0%から0・4%へ大幅に下方修正された。

 輸入の伸び率も引き下げられたので、GDP全体の成長率は微修正になっているが、実際の数値はもう少し厳しい数値となると筆者は予想している。

 景気の動きは昨年の秋から完全に潮目が変わった。景気の動きを詳細に判断するためには韓国も日本と同様、鉱工業生産指数をみることが重要である。鉱工業生産指数は景気に対して敏感であり、速報性もあり指標の信頼性も高いからである。

 鉱工業生産指数のおおまかな動きについてみると、15年までは横ばいで推移していたが、16年に入って増加傾向が鮮明になった。しかしこの上昇傾向は昨年9月には見られなくなり、以降は減少傾向が鮮明になっている。

 具体的な数値をみても、3カ月移動平均の前月比が昨年9月以降おおむねマイナスが続いている。3カ月移動平均の前月比が2カ月以上連続してマイナスとなれば減少局面への転換が疑われることに鑑みれば、鉱工業生産指数は明らかに増加から減少に基調が変わった。

 鉱工業生産指数を構成する品目別指数を、主要品目である半導体と自動車についてそれぞれみると、半導体は14年秋より指数の増加が続いていたが、昨年8月以降は急落している。

 具体的な数値は、ピークを付けた昨年7月には指数が184・4(15年=100)であったが、3カ月移動平均の前月比は6カ月連続でマイナスを記録し、今年2月には159・2にまで低下した。自動車は半導体ほど明確な傾向が確認できるわけではないが、3カ月移動平均の前月比が昨年11月から4カ月連続マイナスであり、このところ減少傾向であることは間違いない。

 生産側の指標である鉱工業生産指数ほどの信頼性はないが、需要側の指標もみると、個人消費の動きを示す小売販売額も減少傾向といえ、特に景気に敏感な耐久財や乗用車の販売額が落ちている。

 設備投資の動きを示す設備投資指数は、今年に入ってから前年同月比で2桁のマイナスが続いている。なお輸出額は行政統計であり、信頼性は他の指標と比較して群を抜いているが、昨年11月から前年同月比でマイナスが続いており、2桁のマイナスも散見される。

 生産側、


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