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2021/06/25

<トピックス>私の日韓経済比較論 第107回 第6回補正予算                                                   大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 私の日韓経済比較論 第107回 第6回補正予算                                                   大東文化大学 高安 雄一 教授

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、2000年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授

  • 私の日韓経済比較論 第107回 第6回補正予算                                                   大東文化大学 高安 雄一 教授

    韓国経済は輸出が回復基調だ(写真は釜山港)

◆支持率回復へ短期的視点で、長期的発想に欠ける財政拡大◆

 文在寅政権は、コロナ対策として第6回目の補正予算の編成に着手した。東洋経済日報(21年6月11日)によれば、昨年は4回の補正予算を編成し、4回の合計で66.8兆㌆の規模に達した。そして今年に入り、3月には14.9兆㌆の補正予算を編成し、今回は15~30兆㌆の規模の補正予算が編成される見込みであるとのことである。

 コロナ禍は経済に大きな影響を与えており、特に今回は、外食産業をはじめとした零細事業所が大きな打撃を受けている。しかしながら、韓国の景気は回復傾向にある。コロナ禍以前である19年10~12月期の韓国のGDP(実質:15年基準、季節調整済)は、468.8兆㌆だったが、これがコロナ禍の影響が最も深刻であった20年4~6月期には448.2兆㌆にまで低下した。19年10~12月から4.4%低い水準である。


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