ここから本文です

2021/04/30

<トピックス>経済・経営コラム 第81回 脱炭素に向かう日韓企業、現状と課題㊦                                                       西安交通大学管理大学院 林 廣茂 客員教授

  • 経済・経営コラム 第81回 脱炭素に向かう日韓企業、現状と課題㊦                                                       西安交通大学管理大学院 林 廣茂 客員教授

    はやし・ひろしげ 1940年韓国生まれ。同志社大学法学部卒。インディアナ大学経営大学院MBA(経営学修士)課程修了。法政大学大学院経営学博士課程満了。長年、外資系マーケティング・コンサルティング会社に従事。滋賀大学、同志社大学大学院ビジネス研究科教授を経て中国・西安交通大学管理大学院客員教授。

◆EV用全固体型電池の開発を促進◆

 韓国の立場も根本的には日本と同様だと思うが、韓国の報道(4月2日中央日報日本語版「危機の韓日関係、連続診断22」)などによると、米国との同盟と中国への経済・技術でのレジリエンシーが揺らいでいるとも映る。専門外でもあり、これ以上は触れないでおきたい。

 以下、エネルギー転換、半導体、電気自動車、車載電池各分野の主要課題を整理する。

 ①グリーン・エネルギーへの転換では、最大のCO2発生源である発電の脱火力化(脱化石燃料)が日韓両国の最大の課題である。国内の資源に乏しい日韓両国は現在、火力発電への依存度は高くそれぞれ76%と70%で、CO2排出量の40%を占める。

 2050年に向けて両国のエネルギー構成比は相似形で、火力発電を半減しかつ排出するCO2を回収・貯蔵する、原子力への依存を(安全性を確保しながら)25%前後に高めるなどの他に、太陽光発電・風力発電などの再生可能エネルギーによる発電の割合を現在の2~3倍の40~50%に増やす目標だ。


つづきは本紙へ