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2022/04/22

<トピックス>私の日韓経済比較論 第114回 消費者物価指数                                                   大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 私の日韓経済比較論 第114回 韓国の所得格差                                                   大東文化大学 高安 雄一 教授

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、2000年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授

◆10年ぶりの高水準、物価安定重視した経済運営を◆

 4月5日に2022年3月の消費者物価指数が公表されたが、これによると消費者物価指数の前年同月に対する上昇率(以下、「物価上昇率」とする)が、4%を超えてしまったことが明らかになった。前回に物価上昇率が4%を超えたのは、2011年の3月から12月の間であったため、ほぼ10年ぶりに物価上昇率が高水準になったといえる。

 韓国銀行ではインフレターゲットを導入しており、目標とする物価上昇率は2.5%である。よって現在は、それよりもかなり高い物価上昇率となっている。韓国の物価上昇率は常に高いわけでなく、2019年と2020年はゼロに近づいており、19年9月と20年5月は一時的ではあるがマイナスとなっていた。状況が変わったのは21年に入ってからであり、ゼロに近かった物価上昇率が徐々に高まっていき、今回、久しぶりに4%を超えてしまったわけである。


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